21 / 21
余韻
朝、目を覚ますと腰が軋む程痛かった。見慣れない部屋と俺の隣で眠っている青年を見て、やっぱり昨日の出来事は夢ではなかったんだと実感する。
綺麗な横顔を見ながら、俺はふわふわの彼の髪の毛をそっと撫でた。
外見とは違うオスの顔にどきどきしたことを思い出し、顔が熱くなった。
恥じらうように身体を捩り、溜まろうとする熱を逃がす。
流石に、盛り過ぎるのはみっともない。
そう思いながらも、昨日の出来事が脳裏に浮かんでは一人で悶えた。
眩暈がしそうなくらい彼とのキスとセックスは気持ちよく、初めてだと言うのに死にそうに感じ捲ったのだ。
仕方がない。
乱れた自身が恥ずかしくって、止めてと何度も懇願したら、優しく撫でるように彼はゴメンと謝って、僕の身体を気遣ってくれた。
ソコからは頭が真っ白になってよく覚えてはいないが、彼はとても紳士的だったと思う。
彼に一目惚れしてしまったから、尚更そう思うのかもしれないが。
だが、彼が最初の人でよかったと思ったのは本当のことだ。
彼は大人だから、こう言うことに馴れているかも知れない。
一回だけの関係だと言われそうだったから。
俺みたいに面倒臭い餓鬼なら、尚のこと。
だから、責任取ってよと彼に詰め寄って無理矢理、彼を俺のモノにするしかない。
初めてだったんだと言えば、多少は口実にはなるハズだから。
俺は、早く、目を覚まさないかと彼の額に軽いキスを落とした。
END
ともだちにシェアしよう!