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余韻

  朝、目を覚ますと腰が軋む程痛かった。見慣れない部屋と俺の隣で眠っている青年を見て、やっぱり昨日の出来事は夢ではなかったんだと実感する。 綺麗な横顔を見ながら、俺はふわふわの彼の髪の毛をそっと撫でた。 外見とは違うオスの顔にどきどきしたことを思い出し、顔が熱くなった。 恥じらうように身体を捩り、溜まろうとする熱を逃がす。 流石に、盛り過ぎるのはみっともない。 そう思いながらも、昨日の出来事が脳裏に浮かんでは一人で悶えた。 眩暈がしそうなくらい彼とのキスとセックスは気持ちよく、初めてだと言うのに死にそうに感じ捲ったのだ。 仕方がない。 乱れた自身が恥ずかしくって、止めてと何度も懇願したら、優しく撫でるように彼はゴメンと謝って、僕の身体を気遣ってくれた。 ソコからは頭が真っ白になってよく覚えてはいないが、彼はとても紳士的だったと思う。 彼に一目惚れしてしまったから、尚更そう思うのかもしれないが。 だが、彼が最初の人でよかったと思ったのは本当のことだ。 彼は大人だから、こう言うことに馴れているかも知れない。 一回だけの関係だと言われそうだったから。 俺みたいに面倒臭い餓鬼なら、尚のこと。 だから、責任取ってよと彼に詰め寄って無理矢理、彼を俺のモノにするしかない。 初めてだったんだと言えば、多少は口実にはなるハズだから。 俺は、早く、目を覚まさないかと彼の額に軽いキスを落とした。 END    

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