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最終話

  「……きれい」 見惚れたように少年は、動かない。僕の部屋の窓から見える海に、心を奪われているようだった。 微塵も動かない彼は、暫くしてから周りを見渡し始めた。 僕の存在には気が付いてないと言う感じで、何かを探していた。 だが、僕は逃げる算段でもしているようにしか見えなかった。 彼を逃したくない僕は、彼の肩を掴んでその儘押し倒した。 瞬時に、助けを呼ばれないように口で彼の唇を塞ぎ、彼の首に手を掛けようとしたら、彼の方から僕に抱き付いて来た。 何と怯んだら、にゅりゅっとした彼の舌が僕の口の中に入って来た。 「……ん、」 と、鼻から息が抜ける声が漏れ、なのに、彼の声は全く漏れず、ぐじゅと言うイヤらしい水音だけが部屋中に響いていた。 昨日の彼ではない対応に驚いて口を離すと、どうして逃げるのと言う感じで、彼は僕の唇を追って来てくちゅりと吸い付いて来た。 僕をリードするように情熱的に、舌を絡め取られる。 彼に絡め取られる舌が熱くて堪らない。収まっていたハズの欲が疼き出した。 我慢出来ずに僕は彼を組み敷くと、何の前触れもない彼の中に、僕は僕の欲を捩じ込んだ。彼は、はああと長い溜め息を漏らすように僕を受け入れ、嬉しとばかりに腰を揺らした。 彼の口から漏れる声は、艶やで、堪らなく彼が欲しくなる。昨日の彼とはまた違って、身体の芯から熱くなった。 堪らず、ガツガツと僕が欲しいが儘彼に腰を打ち付けたら、彼は僕の腰に足を絡めて来た。 僕のモノを奥の奥へと深く誘い入れるように彼は腰を高く突き上げる。 そして、僕の唇から離れた彼の唇からは、 「おれ、いる?おれ、ひつよう?」 そう言う声が聞こえて来た。 聞き間違え? そう見開く僕の瞳にあの少年と彼が重なる。コレは現実?ソレとも、僕の幻?と考えても僕は止める気は全くなかった。 乱れる彼を抱き、彼の中に僕と言う人を植え付けて行った。  

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