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第一章 第31話 忍び寄る闇

   王様や貴族たちの会話の意味がさっぱりわかんなかった。立場とかしきたりとかもっと勉強しないといけないなぁ。  ここしばらくのクロードとの魔法訓練で僕には闇魔法が使えないことが確定した。  今までは練習すれば出来るんじゃないか? とわずかに望みを持っていたがそういうものじゃないというのがわかった。僕は魔力は高いのに攻撃魔法が使えない。  そもそも魔女ってなんだよ。誰かとエッチしたらそいつの魔力が上がるってさ。  これってチートなの? それで身体を狙われるってありえな~い! 「アキト‥‥‥百面相ですか?」 「ひゃいっ! びっくりした」  くっくっくと隣でクロードが肩を揺らして笑っている。 「すみません。可愛すぎて‥‥‥」  うぉお。クロード。その流し目エロいよ。それに可愛いって?! 「アキト。可愛い。可愛すぎて心配です」 クロードが僕の腰を抱き寄せ、うなじにキスをしてきた。 「ふふ。くすぐったい」 「アキト‥‥‥」 「え? 痛っ!」 クロードが何かを囁きながら僕の耳たぶに|齧《かじ》り付いた。 「おまじないです。すみません、痛みますか?」  そのままペロペロと舐められてくすぐったい。頭に生えてる黒耳がへこんと横に垂れてるから申し訳ないと思ってるんだろう。 「お茶でも飲もうか?」 「そうですね」  そこへバレットがやってきた。 「クロード様、王様がお呼びです」 「また宰相の話かな?」 「お嫌なら早めにお断りされた方がよろしいのではないでしようか?」 「そうだな。では、すぐ戻るので少しの間アキトを頼む。誰がきても扉を開けないように」 「かしこまりました」 「ではアキト様、お茶にしましようか?」 「うん、一緒に飲もうよ」 「え?私のようなものがご一緒してよろしいのですか??」 「当たり前じやないか」 「ありがとうございます!」  バレットは嬉しそうにアキト共にお茶を飲み始めた。だが、しばらくして‥‥‥。    ん?なんだこの感じ? 嫌な空気がする。バレットを見ると顔色が急に悪くなる。 「どうしたバレット?」 「す、すみません、急に胸が」  バレットがその場にうずくまって身体を震わしていた。 「ええ?!大丈夫?」 「アキト様‥‥‥申し訳ありません。私の部屋まで連れていってもらえませんか?」 「わかった! もう今日は休んでいいからね。連れてくよ」  僕はバレットを支えて部屋を後にした。 「バレット大丈夫か? 」  おかしい。今日は来賓客が多いはずなのに。何故誰一人出会わないのだろう?  それにいつも歩いてる廊下のはずが違和感がありすぎる。どこに向かってるのだろう? 「アキトさ‥‥‥ま。私を置いて‥‥‥お戻り‥・・・・ください」 「え?! 何言ってるんだよ。こんなお前を置いていけないよ!」 「ダメ……です……どう・・・・・・か」 「バレット? どうしたんだよ?」 「あう……ぐうっ」  バレットは何かを言いたげに唇を開きかけるがその場でうずくまってしまった。 「アキト。ここにいたのか? 」  振り向くとクロードが立っていた。 「クロ!! バレットが苦しそうなんだ」 「そうだな。……無理にあらがおうとするからだ」  そういうとクロードがバレットに触れた途端。ドサっとその場に倒れてしまった。 「クロ……バレットに何したの?」 「大丈夫ですよ。抱えやすいように気を失わせました。さあこちらですよ」  クロードがバレットを抱え、扉を開けた。 「こんなところに部屋なんてあったんだ? 」 「アキト。中へどうぞ。エドガーが待っていますよ」 「エドガーが? どうし……て?」  部屋の中は甘ったるい香りで充満していた。  なんだか頭がぼんやりする。身体も熱くなってきたみたいだ。 「よう。待ってたぜ。さあ早くこっちへこいよ」  エドガーがベットで横たわっている。 「エドガー? こんなところで何をしてるんだ?」 「何ってアキトを抱くためにここに居るんじゃないか?」 「僕を? 僕を抱くの? 」  確かにこの熱は魔力が高まってる感じがする。でもなんだか変だ。 「なぁ。いつものように俺に足を広げろよ」   なんだ?エドガーらしくない?僕を見下したような目線だ。  僕は後退りしようとしたが、後ろからクロードに肩を掴まれた。 「逃がしませんよ」  僕はそのままクロードに小声で囁いた。 「今日のエドガーは変だ。抱かれるならクロがいい」  ビシっと背後のクロードが固まった。背中に感じる彼の鼓動が早まったのがわかる。 「クロ? どうしたの?」  振り返ってクロードを見つめると顔が赤くなっていくのがわかる。綺麗なエメラルドの瞳が揺れている。あれ?クロードってこんな瞳の色だっけ? 「……っ!」  急に耳たぶがジンジン痛み出す。なんで痛いんだろう?誰かに噛まれたような? 「そうか、アキトは3人プレイが好きなのか? 相手が1人じゃ物足りないんだな? くっふふ。いいぞ。こっちにこい。3人で楽しもうじやないか」 「何を勝手なことを」  クロードがエドガーを睨みつけている。 「ぐふふ。この香りの中ならお前だって雄の部分が興奮してるんじゃないのか? それにアキトからいい匂いがあふれてる。きっとこいつも喜ぶにちがいないさ」 「くっそ……」  エドガーが言ってることが理解できない。クロードが悔しそうな顔をして僕を見ていた。

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