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第1話◇桃川春季①

「ネクタイで縛って♡」  桃川(ももかわ)春季(はるき)が想いを寄せる同僚の霧島(きりしま)(れん)にそう言ったのは、酔った勢いだった。 「なに、その可愛いおねだり……いいよ、縛ってやる」  蓮は自分のネクタイをシュルリと外して、きつくなり過ぎないように、手首を縛ってくれた。ネクタイを外す蓮の仕草も色っぽくてドキドキする。 「はうん♡ 霧島の匂い♡」 「マジで可愛いな、クソッ! こんな風になるんだったら、もっと早く酔い潰しておけばよかった」  蓮のネクタイの匂いをくんくん嗅ぎながら、ウットリしている春季をみて、蓮の目は肉食獣のように春季を見据えてきた。 「あ、全部脱がせておけばよかったな。まぁ、ワイシャツ一枚っていうのもエロいからいいか」  春季のワイシャツのボタンを外していく。露わになっていく春季の素肌に、蓮はごくりと喉を鳴らした。 「桃川、手はコッチ」 「ええ? 霧島の匂いがぁ 」 「本物がココにいるだろ?」  ネクタイで縛られた手首を、頭の上に持っていかれる。春季は拘束された感覚が強くなり、さらに興奮してきた。 「霧島っ、きりしま♡」 「ちょっと待ってろ」  蓮が、スーツをベッドの下に放り投げるように脱ぎ捨てていく。引き締まった筋肉がついた男らしい裸体に、春季は目をハートにして見惚れた。  スラックスを脱いだボクサーパンツの存在感のある蓮の雄の部分に、春季の目は釘付けになった。 「桃川、見すぎ」 「だって……」 「ほら、お前も腰上げて」 「んー♡」 「いい子」  ベルトを外されて、パンツごとペロンと引き抜かれた。その勢いで春季のすでに反応していたちんこが、お腹にペチッと当たった。 「あんっ♡」 「桃川が、こんなにエロくなるなんてな。やばい、想像以上だ」  ワイシャツから覗く淡く小さなちくびに蓮は目をつける。無垢にみえるそこに熱い視線をむけると、春季にたずねてきた。 「桃川は一人でスル時に、ちくびは弄ったことあるか?」 「そんなのないよぅ」 「そっか。じゃあ、開発しがいがあるな」 「んんっ♡」  蓮が春季の胸のささやかな突起を、両手でクニクニと弄っている。春季はムズムズとする感覚から逃げようとすると、キュッと摘まれた。 「あんっ♡」 「ちょっと痛いくらいがイイのか?」 「ちがうもんっ」 「じゃあ、コレは?」  蓮が指先で、弾くように小さなちくびを虐める。 「あっ! あん♡ あ♡ あ♡ やぁん♡」  春季の口からは、自分でも聞いたことのない甘い声が絶え間なくこぼれでる。それが恥ずかしくて口を塞ぎたいのに、蓮に移動させられた腕を動かす気にはならない。  蓮のしてくれることや、言うことを素直に受け入れるのが、何よりも快感のスパイスになっていた。    「ちゅーしたい♡  きりしまぁ、ちゅーして?」 「いちいち言いかたが、かわい過ぎるだろ」  春季がキスをねだると、蓮は最初から深いキスを仕掛けてきた。春季は必死で応えようと、侵入してきた蓮の舌に、ちゅうちゅう吸いついた。  春季が、自分より厚く大きな舌に舌を絡ませてくるのを好きにさせていた蓮だったが、主導権を取り戻すと、口腔内を蹂躙し始めた。  春季は必死で唾液をこぼさないように飲み込もうとするが、追いつかずに口からツゥーッと一筋こぼれ落ちる。蓮はそれを舐め取ると、再び淫らなキスを仕掛けてきた。 「ん♡ んん♡ ふあっ♡」  春季はキスをされながら、ちくびを責められて、ふるふると勃ち上がっているちんこの先端から透明な雫をタラタラと溢れさせていた。  下腹部がキュンキュンして、たまらなくなった春季は、腰を振り蓮の綺麗に割れている腹筋に擦り付ける。  春季のいやらしくも可愛い行為に、蓮は喉の奥で笑って唇を離した。 「桃川。いやらしくて、サイコーだな」 「やぁん♡ イキたいっ! イキたいのぉ♡」 「ちくびだけでイけるかな?」 「むりむり! ばかぁ!」  蓮のイジワルな言葉に、涙目の春季は、蓮を睨みつけるが、それすらも色っぽい。  ここまでされても、腕を動かそうとしないのは、内心では蓮に虐められたい春季の深層心理の表れかもしれない。  蓮は、口ではそう言っているが、本気では嫌がっていない春季をさらに追い詰めていく。  可愛いちくびに唇を寄せると、舌でチロチロ舐め始めた。もう片方は指で虐めてやる。 「ひゃうん♡ あっ♡  あっ♡ んーっ♡」  ジュウッと吸い付かれると、春季の身体はビクンと跳ねた。蓮は、反対のちくびにも同じように口での愛撫をする。甘噛みされた春季は、感覚の鋭さに啼いた。 「ひぃん♡ やぁ♡」  思わず蓮の頭を引き離そうとしたが、ネクタイで縛られた腕を蓮に捕らえられて、再び頭の上に固定される。 「きりしまっ! もうむりぃ♡ イかせてぇ」 「じゃあ、どうして欲しいのか、桃川の口から言って?」  蓮の欲に掠れた声で、そう言われた春季はゾクゾクしながら蓮にお願いした。 「きりしまの手で、オレのちんこを、こすって、イかせてくださいっ♡」 「────っ! くっそ可愛いなぁ!」  ガチガチに勃起していた春季のちんこを蓮に握られると、深く口付けられて、擦りあげた。 「~~~っ♡」  春季は、蓮に擦られ、鈴口を指先で弄られると、尿道をせり上がってくる快感に身を任せ、吐精した。 「あっ♡  はーっ♡ はーっ♡ んん……」  イッた快楽と、酔いからくる眠気に勝てなかった春季は、そのままゆっくりと意識を手放したのだった。     

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