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第2話◇霧島蓮①

「桃川? おーい……ああ、寝ちゃったか」    蓮は、春季の頬を軽くぺちぺちしてみたが、反応がない。あまりにも可愛すぎて、手加減できずに弄り倒してしまった。改めてじっくりと視姦する。春季のささやかだったちくびは、卑猥に赤くふっくらとして、さきほどイッたときに放った精液は、腹部から胸元まで散っている。 「エロいな……」  蓮は、まだいきり勃っている自分のイチモツを握ると、春季をオカズに扱きはじめた。グチグチと先走りの音が、蓮の荒い息と混じって部屋に淫靡な気配を漂わせる。 「桃川……ハッ、ハッ、ハッ───ウッ!」  ビュクビュクと吐き出される白濁を春季に向けてぶっかけた。自分でも引くほどの多さに、春季の胸元の赤いちくびにもかかった。 「はぁ……エッロ」  蓮の陰茎は一度ではおさまらず、硬度を保っていた。そっと、春季のちくびにキスをさせるように、ちょんと触れさせる。 「ん……」  眠っている春季から、色っぽい声が漏れる。それだけで、ズクリと熱がぶり返した蓮は、嬲るように腰を振りはじめた。 「桃川、桃川……クッ!……春季」  グチグチと、さきほど吐き出した精液の滑りを使って擦り付けた。ちくびを嬲ると、眠る春季の呼吸が乱れて蓮の興奮が増した。  獣のような荒い息を吐きながら、色白な春季の肌に、蓮の長大で卑猥なペニスが行き来するのを灼けるような視線で見つめる。  普段は名字で呼ぶが、意識のない春季に、名前で呼びかける。ずっと焦がれていた相手だ。まさか春季の方から蓮の手の中に飛び込んでくるとは思わなかった。一夜の過ちなんかでは終わらせない。 「───グゥッ!」  二度目の吐精も春季の胸に撒き散らすと、大きく息を吐いて、蓮は春季の顔中にキスの雨を降らせた。 「好きだ……春季」  眠る春季に、愛おしげに囁くと、脱ぎ散らかした中からスマホを取り出した。  ───パシャ  蓮は、一枚カメラに収めると、満足気に微笑み、春季の手首を拘束していたネクタイを外した。  春季に痛い思いをさせたくなかったので、緩く結んでいたのに、外されることもなく、そのままだった。手首を調べても、ほんのり赤みはあったが、酷い跡は残っていない。赤みもすぐにとれるだろう。  まさか、春季からこんなお願いをされるとは思いもしなかった。普段の穏やかで真面目な春季からは、全然想像もできない。  ずっと好きだった相手だ。入社した時から綺麗な男だと思っていた。気にかけて見ていると穏やかな性格にも好感を持った。仕事を一緒にするようになって、自分の気持ちを恋だと認めることにした。  嫌われてはいない、むしろ好意を感じるときもあった。ただ、キッカケを探していたのだ。タイミングを見計らっていたところに、春季から転がり込んできた。 「明日の朝、ちゃんと覚えているかな」  春季が忘れていても、シラを切られても構わない。証拠はしっかり手に入れた。蓮は、春季を逃がすつもりはさらさらないのだ。     春季に付けた痕跡を消すのは惜しかったが、そのままにしてはいられない。拭き清めるために、蓮は動き出した。春季は何も知らずに、スゥスゥと健やかな寝息をたてて眠っていたのだった。  

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