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「どうぞ、こちらへ。ちょうど今、お茶の時間ですの。ご一緒にいかが?」 「光栄です。では、アルネ殿下とオアニア殿も一緒に」  早く本題に入りたいアルネだったが、エディンは目線でそれを制した。 (エディン様には、何か策があるんだ)  アルネはそう察して、おとなしく席に着いた。  だがしかし。  テーブルの上には、食べきれないほどたくさんの、お菓子が並んでいるのだ。  これだけの量を、カテリーナだけで平らげるつもりだったはずがない。 (ロビーおじさんたち民衆の皆さんは、戦後の粗食で我慢しているのに!)  アルネのいら立ちは、募るばかりだ。  彼の発する負の感情を、オアニアは敏感に察していた。 (フェリックス殿下、どうするんだよぅ。このままじゃ、アルネ殿下が!)  オアニアの心配をよそに、駆け引きのティータイムが始まった。

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