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「まぁ、私ったら。ごめんなさいね、突然だったものですから!」
もちろん傍に立つ側近は、心の中でこう思った。
(さっき事前に、ちゃんと教えましたけど!?)
それでもカテリーナは、なるべくオアニアを視界に入れないようにしながら、愛想笑いを崩さない。
そして、エディンを目の当たりにして、感嘆の声を上げた。
「まぁああ! あなた様が、フェリックス殿下ですわね!? なんて麗しくも凛々しいお姿でしょう!」
竜将と呼ばれる冷徹勇猛な軍人、と聞いて、カテリーナは勝手に脳内イメージを作っていたのだ。
(無骨で、筋肉バカで、埃っぽくて、センスの悪い、醜男だとばかり思っていたのに!)
ところが、そこにスラリと立っているのは、魅力的なイケメンなのだ。
カテリーナは、張り切り始めた。
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