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まずは、カテリーナの良く回る口を塞がないことには、先へ進めない。
しかしエディンは、膝に置いた手に、気味の悪い汗をかいていた。
突破口のタイミングを計ってはいるのだが、彼女に圧されかけている。
その時突然、手の甲に鋭い痛みを感じた。
「ぐ、むぅッ!」
「あら、どうかしまして?」
「い、いえ。何でもありません」
本当は、何かあっていた。
アルネが、思いきりエディンの手をつねったのだ。
(急につねるなんて、あんまりだ!)
(いいから早く、この隙に何か喋って!)
カテリーナには届かないくらい小さな声で、こんなやり取りを交わした後、エディンがついに口火を切った。
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