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「まずは、心よりお悔やみ申し上げます」 「えっ?」 「御崩御なさった国王陛下は、最後まで見事にテミスアーリンのために、戦い抜かれたと聞いております」  甲高いカテリーナとは真逆の、低く重々しい声色だ。  そこでようやく彼女は、夫を亡くしたのだと実感した。  なにせ、歴代の国王の名が刻まれた墓碑を、一瞥しただけなのだ。  だがすぐに、金糸の刺繍が入ったハンカチを取り出し、目元を押さえて見せた。 「そ、そうですのよ。私、陛下が崩御なさったと伝令から聞いた時は、ショックで食事も喉に通らず……うぅ……」  泣く仕草まで始めたカテリーナだったが、その場に居合わせた人間は全員こう思った。 『嘘臭い!』  アルネ、エディン、オアニアだけでなく、側近や使用人たちまで、そう考えていた。

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