13 / 111
第13話 継母は、難しい
2ー3 活動開始!
継子であるロゼス君とのこれからのことを考えて俺は、眠れない夜を過ごした。
早朝、まだ明けきらない内に起き出すと俺は、普段着に着替えた。
寝室の隣にあった風呂場の洗面台に向かうと俺は、生活魔法で水を出して顔を洗った。
洗面台には、丸い鏡が置かれていた。
俺は、鏡に写る自分をまじまじと見た。
なんか、くま、あるし!
長い銀髪もところどころ跳ねてるし!
いけない。
もっと外見に気をつけないと。
これでも俺は、伯爵家の嫁。
がんばって美貌を保って継母無双しなくては、無事に追放にならないぞ!
俺は、手に水をつけるとささっと髪を整えると背中で1つにまとめる。
身支度ができたら、さっそく活動開始だ!
俺は、部屋を出ると1階の食堂を目指した。
おずおずと食堂の立派なドアを押し開くといっせいに人々の視線が集まる。
どうやら使用人たちが朝食の準備をしていたようだ。
「おはよう!」
俺が笑顔で声をかけるともごもごと返事が返ってきた。
俺は、近くにいたメイドさんが持っていたカトラリーの並んだ籠を手に取るとそれをテーブルに並べていった。
うん。
昨日は、俺しかいなかったけど全部の席に用意したらいいのかな?
全ての席に食器を並べていく俺を見てメイドさんが慌てて止める。
「今朝は、4人しかおられませんから!」
4人ですか?
俺は、てへぺろっとごまかしながら並べた食器を回収した。
部屋の奥から向かい合って4人分の席を用意するとメイドさんが何か言いたそうな顔をした。
あれ?
こうじゃないの?
「何をしているんですか?」
食堂のドアが開いて怒り狂ったラトグリフが入ってくる。
ラトグリフは、俺が持っている籠を取り上げるときぃっと俺を睨み付けた。
「いいですか?使用人の仕事の邪魔をするのは、やめてください!」
「邪魔って」
俺は、心外だった。
これでも実家では、使用人並みにこき使われていたし!
別に邪魔なんかにはならないし!
「俺は、何か手伝いがしたかっただけで……」
ラトグリフは、俺をぎろっと見下ろすと深いため息をついた。
「ルーナ!」
「はひっ!」
俺の側にいたメイドさんが飛び上がったのを睨むとラトグリフは、イライラと指示を出した。
「この方を庭にお連れして」
「か、かしこまりました、執事長」
急にきびきびと動き出したメイドさんは、俺をきっときつい目で見ると促した。
「こちらへ」
ともだちにシェアしよう!

