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第15話 継母は、難しい
2ー5 風呂場でどっきり
俺を屋敷に連れ帰るとリュートは、自分の部屋へと俺を引っ張っていった。
リュートの部屋は、俺の部屋の近くにある客間だったが、火が入った暖炉があり暖かかった。
すぐにリュートの指示で風呂が用意された。
暖かな湯船の前でリュートが俺に命じた。
「服を脱げ」
ほえっ?
俺は、焦っていた。
いくらBL世界だからっていきなりですか?
というか、俺、ただの継母だし!
なんで?
混乱している俺にリュートがため息をつく。
「安心しろ。風呂に入れと言ってるだけだ」
マジで?
俺は、怪しむような眼差しでリュートを見上げた。
こいつ、マンガじゃ、とてつもないエロエロキャラだったし!
油断はできない!
「わかった」
リュートが両手を上げる。
「私は、隣の部屋に行く。1人で風呂に入れるか?」
こくこくと頷くとリュートは、ぽん、と俺の頭を撫でて微笑むと、部屋を出ていった。
俺は。
1人で服を脱ぐと温かいお湯にゆっくりと体を沈めた。
「んぅっ……」
冷たい体に温もりが染み渡ってくる。
ほぅっと吐息が漏れる。
気持ちいい。
なんだか眠くなってくる。
そういえば、昨日は、眠れなくて。
俺は、うとうとしかけて。
ばん、と扉が開いて俺は、うぐっと目を開いた。
口の中にお湯が!
ごぼごぼっと音がして。
俺は、苦しくて手足をバタつかせた。
「しっかりしろ!」
リュートが俺の体を湯船から引き上げる。
俺は、げほげほっと咳き込んだ。
リュートは、俺の耳元で声を上げた。
「まったく!1人で風呂にも入れないのか?どんだけ箱入りだったんだ?」
いやっ!
そんなんじゃ、ありませんから!
俺は、リュートに言い換えそうとしたが、その隙もなくリュートに抱え上げられていた。
「ふぇっ?」
リュートは、びしゃびしゃになりながら俺をベッドへと運ぶとそっと横たわらせた。
裸で横たえて俺は、恥ずかしくて両手で体を隠そうとしていたがリュートは、その手を押さえて覆い被さってくる。
「大丈夫、か?」
「はひっ!」
俺は、リュートの金色の瞳に覗き込まれて胸が跳ねるのを感じていた。
「だ、大丈夫だからっ!」
リュートの厚い胸板を押し返そうとするとその手を掴まれた。
「あぅっ!」
痛みに顔を歪める俺にはっとしたリュートが慌ててベッドから離れる。
「すまない」
俺に背を向けてリュートは、すまなそうに謝ると部屋を出ていった。
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