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第25話
※R-18を含みます。
18歳以下、または、苦手な方はお気をつけください。
シャワーの音を聴きながら、ゆっくりと後ろに下がる。幸い、影はこちらを向いていない。息を殺して後ろに下がる。扉は閉めない。むしろ、それで気づかれたら最悪だ。
一歩、一歩と下がり、離れたところでリビングに向かって走る。今持ってきている分だけでも持って帰ろう。後は後日取りに来よう。もし、指紋認証が消されていたらグレイにでも頼もう。うん、それがいい。
急いで紙袋に服を詰め込む。
っ!スマ.....ホ........。
手が止まる。俺の手のひらに、大きな手が被さってきたのと、背中に人の熱を感じるからだ。突然のその感覚に、ゴクリと唾を飲み込む。
大きな手のひらが、スマホを取ろうとしていた俺の手ごとスマホと一緒に包み込む。首筋に水滴がぽたぽたと降ってくる。冷たい水滴が首筋を伝い、背中に入り、服の隙間を落ちていく。
「随分と、遅い帰りだな」
「.....っ.....!」
言葉にならない悲鳴が、肺の奥で鳴る。バクバクと鳴り響く心臓の音が、後ろの人物に伝わりそうだ。
怒っているのか、悲しんでいるのか、呆れているのか、どう思っているのか分からない抑揚のない言葉に、頭をフル回転させて返事を考えるが、その前にスマホを大きな手が奪う。
「っ、ジャッ.....」
ジャック!と叫ぼうと後ろを向いた俺は、言葉を繋げることが出来なかった。びしょ濡れのまま静かにこちらを見下ろすジャック。服は来ておらず、腰にタオルを巻き、水が滴っている頭にも1枚タオルを被せている。
そして、その姿を確認した瞬間、首筋を押されテーブルに叩きつけられる。
「ぐっ!」
肺から無理やり空気が吐き出される。鈍い音を立ててテーブルが揺れる。顎がテーブルに当たり、めちゃくちゃ痛い。
「そういや聞いてなかったな。てめぇは今欲求不満なんだろ?」
「なっ!ちがっ.....!!??」
ジャックの手が俺のベルトを簡単に外してしまい、パンツごと下に下げられてしまう。
っ!!!足を蹴りあげようとするが、ジャックに本気で押さえつけられているせいで全く足が上がらなければ、体も捻れない。全身を使ってバタバタと暴れるが、ジャックは構わずにそのまま俺の谷間に指を伝わせる。
「てめぇは、こうやって喜ぶ淫乱だもんな」
「ひぐっ!」
グリグリと無理矢理指が入ってくる。無理矢理入ってくる異物に、無意識に体が強ばりテーブルに爪を立てる。しかし、ここ数ヶ月で体は快感を覚えてしまい、ジャックが指を曲げると体が素直に反応する。
甘い声が漏れそうな口を押さえるが、肩が微かに揺れてしまう。
「チッ、濡れねぇのがめんどくせぇな」
「ムッグッ!」
ジャックが俺にのしかかり、耳のそばでそう言うのと同時に、お尻にある手とは逆の指を俺の口の中に突っ込む。長い指が俺の上舌に当たり、余計苦しくなる。
喉に手を突っ込まれる痛みからか、何故か涙が溢れてくる。
「はっ、濡れなくてもほぐれるもんだな」
俺の喉から指を抜くと、俺の唾液がゆっくりとジャックの指先から伸びる。プチッと糸が切れると、そのままジャックの指は俺の後ろの中に突っ込まれ、先程まで後ろを遊んでいた手は次は俺の胸の飾りを弄ぶ。
「くっ、やめ、いやだ、いやだ!」
ジャックが前立腺をグリグリと押す。そこの快感を知ってしまっている俺の体は、素直に反応をみせ、俺の脳は警戒音を鳴らす。そして、ジャックに嫌という程いじられた胸の唐突。2本の指でグリグリと揉まれると、2つ同時にされる快感に目の前が歪む。
「随分淫乱になったな。あ?元々だったか?」
「っ!黙れ!黙れ!」
「はっ、最初の日と同じことを言うな。やめてくれ、いやだ、助けて、黙れ、あと.....」
「 」ってな。耳元で静かに呟かれた名前に、驚きで全身の力が抜ける。チッというジャックの舌打ちが耳に響いた瞬間、お尻に温かいものが当たる。
「まっ、ジャックっぃっ!!」
ズン!と今までの指とは、質量も大きさも形も違うものが奥まで届く。目の前にチカチカと星が飛ぶ。
「っ、締めんな」
ジャックは一切動かず、きつい。と言いながら俺の背筋を撫でる。くすぐったくて、俺の爪がテーブルを引っ掻く。
「ん、まて、動くな、」
ゆっくりとと動き始めたジャックに、近くにあった手を掴んで動きを止めようとするが、逆に手を取られてキスをされる。
ちらりと見えるその表情が、嫌味な程似合っていてめちゃくちゃムカつく。無理矢理俺の中を暴いているのに、しっかりとジャックからの快感を感じ取る自分が憎めしい。
「ひぅ!そこ、はわぁ!」
ジャックが俺の1番奥をグリッと刺激する。ゆっくりなのは初めの数回だけで、後は激しく打ち付けられる。快感とともに、無理矢理ねじ込んだせいで微かな痛みを感じる。
ジャックからされる時に、痛みを感じるのは初めてだった。いつも荒々しい割には、しっかりと解してくれていた。しかし、その影は一切なく、気持ち悪い痛みが腹を付く。
「ここに何人の男を咥えこんだ?」
ジャックが俺の腹を撫でる。ジャックのがデカいせいで、微かにお腹が膨らんでいるのが分かる。
「だれ、も、」
「昨日も誰かのを咥えこんで来たんだろ?」
ジャックの物が、俺の弱い所をグリグリと押す。痛いほどの快感が流れ、声を上げる。
「ざ、けんな。知らねぇ」
「嘘をつけ。どうせ日本でも何人かいただろ?初日、初めてとは思えねぇ程の乱れっぷりだったからな」
こことか、結構感じてたもんな?といいながら、ジャックは俺の唐突を握る。今度は歯をかみ締めて声を殺す。
「知らねぇ」
「嘘をつけ」
「っ、てめぇが!俺の初めてはてめぇが奪ったんだよ!」
「嘘だ」
「本当だって言ってんだろ!」
「っ、黙れ!」
ジャックの動きが止まり、俺の顔の横に拳が降ってくる。鈍い音を立てるテーブルは、傷すらついていない。
ジャックの体が離れたことをいいことに、俺はジャックの方をむく。後ろを向くと、ちょうどジャックの顔をが見える。
.....は?
ジャックは、苦虫を思いっきり噛み潰したような顔で、くしゃくしゃと前髪を上に上げている。目じりは下がり、何かに耐えるような顔で俺の背中を見つめている。
「ジャッうわっ!」
ジャックの名前を呼ぶ前に、ぐるりと体を回転させられる。もちろん入ったままなので、なかなか痛い。
「っ、いってぇ.....な........」
ジャックが俺の顔を掴む。掴んで、ゆっくりと手を離し、頬に手を添え、親指で目じりを撫で、耳を撫で、髪を1束掴んで離れていく。
「っ、なん、なんなんだよお前」
ジャックが何をしたいのかが分からない。何をしたくて、なんのためにこんなことをしているのかが分からない。その表情も分からない。知りたくない。見たくない表情だ。
勘違いしそうだから、昔と同じことをするから、そんなことをしたくないのに、勘違いして突き進みたくない。
「功祐」
「っ、うるさい」
「功祐」
「黙れ」
「功祐」
「やめろ」
「こうす.....」
ジャックが言い終わる前に、唇を塞ぐ。胸ぐらを掴み、引き寄せると簡単に唇は届いた。
「ふんっ、あっ、ん」
微かに漏れるお互いの音と、ジャックがゆっくりと背筋を撫でるせいで体がピクピクと反応する。
「っ..........」
ピリリリリリリ。
お互いの唇が離れる前に、スマホが鳴る。
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