78 / 78

あとがき

 ここまでお付き合いいただきありがとうございます!  気がつけば、前作の投稿から一年が経とうとしていました…。 「オメガバースを書いてみたい!」と思い悩み、やっと書きたいと思えたのが今作です。  オメガバースらしいヒエラルキー要素etcは、エッセンス程度に。どちらかというと、子育てBLに主軸を置いたストーリーになりました。  カップリングとして初々しさがありながらも、家族感のあるイチャラブが萌えます!  以下は、そんなキャラクターたちのちょっとした小話です。     ◇  春陽は「健気受けとは?」とドキドキでした。今までの作品は、意地っ張り・男前といった受けばかりだったもので…(中性的なのも初めて!)  さほど天然でもなく、ずるい一面もあって~と、見かけに反した一面があったり。  春陽の大人らしい強さ&引け目と、湊の真っ直ぐな青臭さが、いい対比になって好きです。あと自己肯定力の低さも。  名前の由来は、春のよく晴れた日に発見されたから(※名づけは施設)です。  ここだけの話、当初は「未亡人の子持ちオメガ」として考えていました。あまりに暗くなったのでボツにしましたが;  湊は今でこそヒーロームーブが目立ちますが、実はヘタレみがあったキャラクターでして(名残はありますね!笑)  等身大の男の子、そして年下攻め(※性癖)として、動かしていて楽しかったです!  初期プロットでは、春陽が「まだ学生なんだし、多くを望んじゃ駄目」なんてウジウジする場面も。  ただ、湊がちゃんと将来を考えていることを匂わせて、ライトな終盤へと変更しました。    名前の由来は、人と人とを繋ぐような「港」の意味合いからです。まさにそんな立ち位置。  春陽とは大学の卒業時に、番になるんじゃないかな~と思っています。     ◇  サブキャラクターの優や啓介も、それぞれお気に入りです。  特に啓介は、好きになれないけど嫌いでもないキャラクター。  母親とは死別、義理の弟はアルファ…となかなか複雑で。家庭環境は悪くなかったものの、自ら孤立する選択を続けた結果、「自分を見てくれる存在」を求めていたという。  春陽との関係も、湊に対する当てつけだけではなく。いつの間にか内心では…。  でも、やったことは許されないし、性格的にも扱いが難しい男です。春陽も自分を犠牲にしちゃうのよくないしで…;  また、高校生になった優が自ら望んで、丸くなった啓介と会う話も頭の中にあったり。 「どんなクズが出てくるかと思ったら……なんだ、フツーのオッサンじゃん」みたいな。  あと、湊がバレバレの変装をしてこっそり見守っているという…笑  そういった感じで、優は幼少期とのギャップがあるので、読者さんにはあまり見せたくないところ。 (自分が「可愛い」ことを自覚している系の、あざといオメガになるのです…それでいてファザコン!)  啓介は結婚せず独り身でいるんですが、子供の存在が、ささやかな救済に繋がるんじゃないかと思っています。そして、さらに反省を重ねる。  優も「はるちゃんパパとか、みーくんに言えない話とか聞いてもらいたいし」などと、連絡先交換したりなんかして。たまに会って話す、悪友のようなポジションになるかと。  春陽との接触はないでしょうが、個人的には優しい世界であってほしいです。       ◇  思えば、今作は本当にもう、シリアス/じれじれ/ほのぼの/甘々…と詰め込んだストーリーになったなあと。  なんというよくばりセット、もちろん性癖もいたる所に盛り込んでます!  性癖といえば、濡れ場を入れるかどうか問題。……正直、迷いました。 「この二人は濡れ場いらないと思う!」という気持ちと、「せっかくのオメガバースなんだから欲しいよ!」という気持ちのせめぎ合い。  結局、番外編という形で入れることにしました。  とはいえ、この二人なので控えめというか、甘くて優しい雰囲気に。  なお、言葉責めが性癖の一つなんですが、がっつりカットしました。そんな湊も見たかったけど!笑     ◇  最後になりますが、ここまで読んでくださりありがとうございます! 反応をくださる方がいらして嬉しかったです!  本当に感謝に尽きるというか。お時間を割いて私の趣味を共有していただき、ありがたき幸せ…。  少しでも楽しんでいただけたら幸いです! (また、おまけとしてショートストーリーを投稿するかも…なので、そのときはよければ!)  2025年9月 有村千代

ともだちにシェアしよう!