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エピローグ

SNSには相変わらず仲良くうつる二人がいる。 今はもう幸せそうな二人を見ても、母親から暴言を言われても何も思わなくなった。 透也のことは変わらず好きなのに、もう話すことはない。 教室で少し見ることくらいしかできなくなった。 たまに目が合っても透也の方から逸らされて、僕のことをみることはもうない。 それでも教室で聞こえる透也の声は僕の心を少しだけ満たして、家につくころにまた空っぽに戻る。 そんなぎりぎりの日々がずっと続いている。 ゆらゆらと海面が波立って揺れるように、ずっと凪にはならない自分の心。 僕がいないまま透也の平穏な日々はこれからも続いて、僕の日々はこれで終わる。 透也が僕のものにならないなら、僕が生きている意味がない。 ねえ透也、本当に大好きだったよ。 教室が立ち並ぶ校舎棟。その中のひとつに透也を見つける。 ごめんね。だいすき。 それだけ送信して、鳴り響く携帯を無視して僕は別棟の屋上からジャンプをした。 雲一つない青空がまるで凪いだ海のようで綺麗だと、そのときになって初めて知る。 一度狂った歯車は壊れたままなおらない。これで全部、おしまい。

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