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 暁斗は、さらに大胆になった。  手を下に伸ばし、昴の性器に触れたのだ。  そこは、じわりと濡れた感触がある。  唇を巻いた歯を立てて乳首を噛みしだくと、昴の呼吸はいっそう速くなった。  余裕のない喘ぎとともに、先端から体液が溢れてきた。 (さすがに、これは過敏過ぎではないか?)  暁斗は昴の胸から顔を上げ、その表情をうかがった。  彼の瞳は潤み、うっすらと涙を浮かべている。  思わず暁斗は、息を飲んだ。  まさか。 「昴さま。もしや、初めて、でございますか?」  昴は一瞬、怯えたような顔をした。  しかし、すぐにきつく瞼を閉じて、首を横に振った。 「違う! 初めてなんかじゃない!」 (これ以上、暁斗にみっともない自分を、見せられない!)  昴は精一杯、虚勢を張った。 「僕だって、経験くらいある。いろんな人と、何度も寝たんだ!」 「その幸運な相手は、どなたです?」 「……それは、その。しッ、知らない人!」 「そうですか」  暁斗は思わず、顔をほころばせた。  何という可愛らしい、バレバレの嘘を。  そして、この美しく愛らしい人の初めてとなれる誉れに、感謝した。 (いったい私の、どこを気に入ってくれたのやら?)  もう一度、短く、しかし熱い口づけを贈り、暁斗は改めて昴の体に挑みかかった。

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