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 私、柏 暁斗は。  昴さまに会うために、生まれてきたのだ。 「私はあなたを愛するために、生まれてきたのだと思います」  あまりに熱い暁斗の告白に、昴の瞳からはとうとう涙が一粒こぼれた。 「どうして? 僕は、暁斗。僕は……」  昴は、今日一日の自分を、思い返していた。  髪に寝癖がついたくらいで、当り散らした。  ちょっと良い事があったくらいで、機嫌を治して甘えた。  そして、今。  まるでこの世の終わりのように、暗い心地で暁斗に愚痴を吐く。  そんな僕の事を、どうして暁斗は好いてくれるのか。  藤原家の執事で最も生真面目と言われる人が、藤原家で一番わがままと言われる僕を愛してくれるのか。  涙声で、切れ切れに訴えかける、昴だ。

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