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怖いけど、もう少し 1※
抱きしめられて、先生の心臓の音に集中していると、自然と体から力が抜けていった。
緊張も解けて、何だか薬を飲んだ時みたいにボンヤリ眠たくなっていく。
「治療、始めるね。──佐伯」
「はい。──神木さーん、ズボン少し下げますねぇ」
佐伯さんの言葉にコクリと頷くと、そっと腰に触れた手が言葉通り少しだけズボンを下げた。
久我先生の手は相変わらず背中を撫でてくれている。
「今から佐伯が触りますね。ちょっとでも嫌だと思ったら教えてね」
「ん……」
何の反応もしていないそれを掴まれ、優しく扱かれる。
少しずつ快感が上ってきて、足をモジモジさせてしまう。
「神木さん、昨日した治療は覚えてる?」
「ぁ……も、漏らしちゃった、やつ……」
「ふふ、そんな風に覚えてるの? あれは前立腺を前から刺激して、より快感を拾えるようにする治療なんだよ」
「ん……っ、」
「今日もさせてくれる? それとも、今日は嫌だ?」
「……きょ、今日は……」
少しだけ迷って、久我先生の胸元に額を預けたまま、小さく息を吐く。
「……やって、みたいです」
「うん」
「昨日は……怖かったけど。でも、ちゃんとできたから……」
自分でも不思議だった。
怖かったはずなのに、逃げたいとは思わない。
むしろ、昨日よりも自分のことを知れるかもしれないと思うと、少しだけ楽しみでもあった。
「それに……先生が、抱きしめてくれるなら」
そこまで言ってから、急に恥ずかしくなって口を閉じる。
「……それなら、大丈夫な気がします」
背中を撫でていた手が、ほんの少しだけ止まった。
「……そう言ってもらえてよかった」
先生の声が、いつもより近く聞こえた。
「じゃあ今日は、神木さんが怖くならないことを一番に考えよう。途中で嫌になったら、いつでも言っていいからね」
「……はい」
「頑張りすぎなくていいよ」
「だいじょうぶ」
そこまで話せば、昨日感じた陰茎を逆流してくる感覚が走った。
ぁ、と思う頃には細いそれが、ニュルニュルと入ってきて、奥を目指していく。
「はっ、はぁ……っん、ぁ」
「痛みはないかな」
「ぅ、い、痛く、ない……けど、気持ち悪い……」
「もうすぐ気持ちよくなるからね。ズボンも下着も汚れないように脱がせちゃうね」
久我先生の手で、ズボンも下着も下げられて、お尻が丸出しになる。
陰茎の奥、トンと昨日も感じた場所にそれが当たり、思わず声が漏れた。
「ひぅ……うぅ……っん、ぁ、はぁ……」
「前立腺当たりました」
「神木さん、ちょっと体勢変えるから、そのまま力抜いててね」
体勢を変える時に足に引っ掛けていた下着とズボンが脱がされ、足が閉じられないよう、先生の腰を間に入れるようにして膝の上に向かい合うように座らされた。
こんな恥ずかしい体勢……! そう思ったけれど、心臓の音を聞いて少し落ち着く。
「後ろに触るよ」
濡れた指が後孔に触れる。
クルクルと円を描いて、そうして中に入ってきた。
「あ゛っ!」
「上手に力抜けてるよ」
いい所を撫でる先生は、しかし呼吸が荒くなってきた自分の背中をトントンと軽く叩いて落ち着かせることも忘れない。
おかげで努めてゆっくりと呼吸ができた。
「怖くない?」
「ん、大丈夫……」
先生の体にしがみついていると、顔を覗き込まれてドキッとする。
「このまま一度中で達するまで触るね」
「ぁ、ゃ」
「いっぱい感じられてえらいね」
自由に体が動いて気持ちよすぎると逃げたくなるけれど、抱きしめられたらそれが出来ない。
ただ、怖くはなかった。
無機質な物に拘束されるより、暖かく包まれるように止められる方が安心できる。
「ぁ、あ、あー……ぁ、いくっ、ぁ、いく、イク……っ!」
足を閉じたいのに久我先生の腰をギュッと挟み震えるだけで、快感を上手く逃がせない。
「上手に達せたね。そのまま、私の方にもたれかかれるかな? この前挿れたディルドを挿れようか」
「……? は、い……」
指が抜かれ、ギュッと抱きしめられる。
「ん、うれ、しぃ……」
「? 嬉しい?」
「……抱きしめられて、温かい……」
「……可愛いな」
ボソッと先生が何かを呟いた。
上手く聞き取れなくて、聞き直そうとしたけれど、それより先に後孔に宛てがわれたディルド。
「ゆっくり入りますよ〜」
「また力抜いてようね」
佐伯さんの声で体が強ばりそうになったけれど、先生の手が背中を撫でてくれたことで力が抜ける。
そうして入ってきたディルドが、前立腺を掠めて思わず体が跳ねた。
「痛い?」
「っ、き、もちぃ……っ」
「よかった」
何度か出入りするそれ。その度に刺激される前立腺。陰茎はとっくに勃起していて、中にある異物にも感じてしまう。
「ぁ、あー、い、ゃ、いく、また、先生ぇっ」
「大丈夫、大丈夫。たくさん気持ちよくなれてえらいね」
「はぅっ、ぁ、あ、あ……っ! ダメダメ、動か、しちゃ、だめ……!」
「ん……佐伯止めて」
二度目の絶頂は深くて、中々体の震えが止まってくれない。
胸の奥が温かい。自分がECSにかかっているなんて思わないくらい、ポカポカとしている。
「今、体はどんな感じかな、話せそう?」
「ふぁ……ぁ、あたた、かくてぇ……気持ちいぃ……」
「うん。いい調子だね。話してくれてありがとう」
「ぁぅ……ん、まだ、する……?」
「そうだね。次は前からも後ろからも刺激してみよう。それからできれば奥も刺激していきたいな」
「……? うん」
先生が何を言っているのかを上手く理解できなかった。けれど、多分、怖いことはされない。
先生の手が陰茎に触れる。
「佐伯、前立腺を刺激して、そのまま奥まで。長いストロークでゆっくり」
「わかりました」
「痛みはないと思うが、もし奥を痛がったら前立腺だけでいい」
「はい」
先生が尿道に埋まっていたそれを掴む。
そうしてゆっくりと出し入れされた。
「あ゛っ!」
同時に、後孔に挿れられていたディルドがゆっくり動き、前立腺を掠めて奥を目指す。
トン、と奥の壁に当たると気持ちよくて、つい「待って」と口にしていた。
その瞬間、二人の動きが止まる。
「神木さん、大丈夫かな?」
「っ、ぁ、い、気持ちよすぎて、怖い……っ」
「それは、お腹の奥が? それとも前立腺の方かな」
「んっ、奥、奥怖い……っ」
「教えてくれてありがとう。痛くないのなら、このまま続けたいんだけど、まだできそう? 嫌ならそれはそれで大丈夫だからね」
優しい声に、優しい言葉。
急かすことなく待ってくれる二人。
気持ちいいから怖いのであって、決して痛くはない。
だからもう少し、頑張りたいと思った。
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