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第1話
Side.Hirotaka
クラスメートの岡利翔多 を好きになってから、浩貴の心は毎日翔多一色になったといっても過言ではなかった。
翔多と初めてキスしたのは彼の部屋で、ハプニングのようなキスだった。
そして、このキスをきっかけに浩貴は翔多への恋心に気づいたのである。
二度目のキスは夜の公園のベンチで、だった。
この夜、翔多も浩貴を好きだと言ってくれ、二人は男同士ながら、恋人同士となった。
初めて大人のキス……いわゆるディープキスをしたのは、これまた翔多の部屋。
二人で他愛のない話をしているとき、ふと沈黙が訪れた。そのとき、浩貴のほうから彼の唇を奪い、少し強引に翔多の唇を貪った。
……舌を入れたとき、翔多はびっくりして狼狽えまくった。その姿がかわいくて、うれしかった。彼は大人のキスをしたのは浩貴が初めてだと、大きな瞳をウルウルさせて打ち明けてきたのだ。
翔多はとても魅力的だ。
美しい容姿と、その容姿とは少々アンバランスな能天気な性格も、なにもかもが浩貴の心を魅了してやまない。
一瞬ごとに彼に恋をしている自分がいる。
好きで、愛しくて、たまらなかった。だから……。
もうキスだけでは足りない。
翔多のすべてが欲しい。
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