唇から零れ落ちる自分のものではないようなか細く艶めかしい声を、浩貴に聞かれるのが恥ずかしくて、翔多は両手で唇を押さえた。 　浩貴の右手がゆっくりと体中を這いまわり、やがて下着の中へと入りこんできて、すっかり欲情している翔多を優しく包み込む。 「……っん……」 　得も言われぬ気持ちよさに唇を押さえている両手のあいだから、甘い声が漏れる。 　翔多の声を聞くと、浩貴はとても色っぽい笑みを浮かべてみせ、ゆっくりと手の中の翔多の昂ぶりを擦りあげた。 　浩貴にそれを愛されるのは、自分でするのとはまったく段違いの大きな快感を翔多に与えた。 「う……ん……あっ……浩貴……」 　どれだけ強く両手で唇を覆っても、こらえきれない喘ぎ声が漏れ零れる。自分の声の淫らな響きがすごく恥ずかしい。 「翔多……、すげー、かわいい……好きだよ……」 　浩貴が翔多の耳朶を優しく噛みながら、手の動きを早めていく。 「……っん……あ、浩貴っ……」 　大きく体をしならせて、翔多は浩貴の手の中でイッた。 　浩貴の手で絶頂へ導かれた翔多は半ば放心状態で、余韻にとっぷりと浸っていた。 　されるがままに浩貴にスエットを下着ごと脱がされ、晒された下半身に、ようやく我に返ると、彼もまた着ているものを脱ぎ捨てていた。 　浩貴の雄は天を向かんばかりに勃ち上がっていて、彼は翔多の手を取ると、そこへと押し当てる。 　自分のものとは比べものにならないくらい大きく固い浩貴に、翔多は多分泣きそうな顔をしていたのだろう。彼が優しいキスをくれた。 「……翔多の中でイキたい……」 「浩貴……」 「いい……？」 　浩貴の切れ長の綺麗な目で見つめられ、囁かれて、翔多は……少し怖くはあったけれども……小さくうなずいた。