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第29話 薔薇の媚薬 ①

 かなり酔っ払ってしまった僕はサイモンの肩に頭を乗せて家に帰るまでの馬車の中、目を瞑っていた。 「ミカエル。1人の時にお酒飲むの禁止」  どうも酔っ払った僕は、フラフラしすぎて危なっかしかったらしい。 「サイモンと、一緒じゃないと、飲まないもん……」  意識がぽわぽわしたままサイモンを見上げると、 「もう、本当に心配……」  僕をぎゅっと抱きしめた。  サイモンの厚い胸板に顔をめ埋るのは、本当に大好き。  目を瞑っていると、胸ポケットに入れていた屋台の女主人からこっそりもらった飴が、体に触れた。  確かお店の人は、旦那さんと一緒の時に食べるんだよって言ってたよね。  ゴソゴソと飴を取り出し、何をしているか不思議そうに見つめるサイモンの前で、パクリと飴を食べた。 「え?ミカエル、今、何食べたの?」 「製油のお店の人にもらった飴~。サイモンと2人っきりの時に食べなさいって言われたんだ~。レモンの味がして、美味しいよ」  舌の上にのせた飴をサイモンに見せる。 「そんな初対面の人からもらった物を食べない!ほら出して」  サイモンは僕の口の前に両手を差し出したけれど、こんなに美味しいの食べてしまわないなんて勿体無い。  ぷいっと顔を横に向けると、サイモンはグイっと僕の顎を掴み乱暴にキスをし、舌で前歯をこじ開け口内に舌を入れる。 「……ッ、ん、ぅん…」  いつもより乱暴に口内を舐め回され、意識が遠くなっていきそうだ。  もっと欲しがるように、サイモンの首に腕を回す。  お腹の中がキュッとして、楔の根本が熱くなってく。  サイモンは僕の口の中にあった飴を舌で絡めとると、口の中から飴を取り出し、自分の口の中で味を確かめる。 「毒ではなさそうだ」  そう言って飴を吐き出そうとした時、サイモンの目が驚きで見開かれ、急いで飴を口の中から取り出し、 「媚薬入りだ……」  呟いた。  媚薬入り? 「ミカエル。体におかしな感じはないか?」  サイモンに触れられ、ビクンッと身体が跳ねる。 「……ゾクゾク、する……」 「他には?」  そう冷静に聞くサイモンの目の奥には、大人のキスをしてくれる時のような光が見える。 「ここがね、ジンジンして、お尻の中に指を、入れて……」  自分の楔の上にサイモンの片方の手を重ねさせ、もう片方の手をお尻に触れさせた。  ゴクリとサイモンが生唾を飲んだ気配がして、少し服に触れた乳首までも感じてしまう。 「サイモン…、お願い…」  熱った顔で見つめると、馬車の中の長椅子に押し倒される。 「声、気をつけるんだよ。外に聞こえてしまうからね」  コクコクと頷くと、ズボンと下着を膝までおろされ、サイモンは反応してしまった僕の楔を口に含み、片方の手で後の蕾の中に指を入れる。 「ふっ、ぅあっ」  深く咥え込まれ、耐えきれない快楽が身体を襲う。腰の奥に響く刺激は、背中を駆け巡る。 「今日はニ本一度に入れたのに、ミカエルの蕾はもうとろとろだ。ああ、なんていやらし蕾なんだ」  媚肉をグイっと押し上げられると、涙が出るほど気持ちよくて、指で蕾を広げられながら楔の裏筋を尖らせた舌の先端で舐められと、喘ぎ声が止まらない。 「あっ、あっ、それ…、だめ…ッ、あく…ぅああぁ……」  背中をのけぞらせると、よりサイモンの口の中に楔が深く入り、あがった腰を手で持ち上げながら、指もより深いところに入ってくる。  ガタンっと馬車が上下した時、いつ間にか3本になったサイモンの指が弱いところを押し上げた。 「ひやぁ、ああぁ……ッ!」  声が外に聞こえてしまう。  とてつもなく恥ずかしいのに、声を止める余裕なんてない。  蜜口を舌先で押し広げられ、媚肉の中でぷくりと膨らんだ弱いところを不規則に押され、内ももがビクビクと震え出す。 「…ぅくっ……、もう…イく……い、いっちゃ……、あああぁぁ……ッ!」  あられもない喘ぎ声が発せられ、白濁とした蜜はサイモンの口の中で弾けた。  はぁはぁと肩で大きく息をし、全身の力が抜ける。  それでもサイモンの指が蕾から抜かれる時、まだ離したくないとサイモンの指を締め付ける。  達したばかりなのに、身体の中の疼きは治らない。 「サイ、モン…、まだ、足り、ない…」  すがるようにサイモンを見ると、 「もう時間がない。続きは邸宅に帰ってからだ」  ちらりとサイモンの股間を見ると、ズボンの上からでもわかるほど反応し、大きくなっいる。  サイモンの指だけでも、あんなに気持ちいいのに、もしあれが僕の中に入ってきたら……。 「早く、邸宅に帰りたい」  熱った身体のままサイモンに寄りかかると、 「俺もだよ」  額にキスをしてくれた。

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