38 / 82
第38話 白い粉と訪問者 ④
「ミカエル…ダメ、だ…」
快楽に顔を歪めなが、悲しそうなサイモンの声がした。
頭の上でサイモンがら、ふぅふぅと荒い息をしているのを感じる。
ー 一度達してからの精の方が、妊娠しやすいから
ー
母様の声が頭の中でする。
妊娠するためだけにする行為。
互いの愛を確かめることなく、一方的にする行為。
悲しさと虚しさで涙が出てくる。
それでもサイモンが達するまで、口の中で楔を扱く。
「ダメだ…ミカエル…、口を、離せ…!…っつ!」
言い終わらないうちに、サイモンは口の中で勢いよく達した。
喉の奥に精がぶち当たり、むせ返りそうになるのを飲みこんだ。
サイモンの味がする。
前は口の中で達してくれて嬉しかったのに、今は悲しみでいっぱいだ。
「ごめんね…サイモン…」
僕はサイモンの足の上に跨り、もう硬くなったサイモンの楔の先端を蕾に当てる
「な、何を…!?」
今からされることを感じ取ったサイモンは、力無くだらんと垂れ下がっている腕に力を入れようとしているが、痺れ薬がよく効いていて力が入らなさそうだ。
「ごめんねサイモン…」
もう一度謝り、サイモンの楔をゆっくりと挿入する。
すこしでも痛みがあればいいのに……。
そう思ってわざと後ろをほぐしていなかったのに、痛みどころか恍惚とさせるほどの快楽が電気のように、身体を駆け巡る。
ゆっくりとサイモンを感じるように、媚肉が飲み込んでいく。
指で虐められ躾けらただけでもおかしくなりそうだったのに、今まで届かなかった場所に楔が挿入されていく。
「あ、んんっ…きもち…いい…っ」
この快楽がずっと続けばいいのにと思ってしまうほどの、悦楽。
サイモンの楔をすぐに飲み込んでしまうのが勿体くて、小刻みに腰を前後しながら受け入れていく。
ずぶりずぶりと奥に入ってくる。
中からは蜜液が溢れだし、太ももを伝う。
もう我慢できない!
自分の体重をかけて、ずんっと最奥に楔を押し込む。
「んんん、ああぁぁぁ……っ!」
目の前が真っ白になり、一突きしただけなのに白濁とした蜜液が放出する。
「はぁ、あぁぁ……あぁっ……」
頭の先からつま先まで快楽が貫き、サイモンの体に倒れ込む。
するとサイモンから強烈なアルファの香りがした。
体内でオメガのフェロモンが爆発的に弾けた。
「くっ!」
サイモンが呻いたかと思うと、ガブリと首筋を噛まれ鋭い痛みが走る。
「……っ!、あぁぁ…っ」
その痛みすら感じてしまい、また達してしまう。
サイモンと自分の腹部が蜜が滴り落ちる。
この凶暴な楔で奥を侵されたら、どうなってしまうんだろう?
思うより先に楔の先端が最奥にめり込むように、律動する。
どうしよう、止まらない!
「サイモン…サイモン…っ、はぁぁ、、ああぁぁ…っ!」
初めてサイモンと繋がれたのに、愛のない行為。
「ごめんなさい…、ごめんな、さい……、ひぃ、あぁぁ…」
何度も何度も謝りながら、でも感じてしまう自分が穢らわしい。
我慢していた涙が溢れ出し、喘ぎ声と共に嗚咽が混じる。
「ミカエル…ミカエル…っ!」
強制的にラットになってしまったサイモンは、ミカの名前を呼びながら、何度も最奥に精を放つ。
蜜と精が混じり合いながら、その度に2人で達し、互いに意識が飛ぶまで獣のような行為は続いた。
ともだちにシェアしよう!

