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第38話 白い粉と訪問者 ④

「ミカエル…ダメ、だ…」  快楽に顔を歪めなが、悲しそうなサイモンの声がした。  頭の上でサイモンがら、ふぅふぅと荒い息をしているのを感じる。 ー 一度達してからの精の方が、妊娠しやすいから ー  母様の声が頭の中でする。  妊娠するためだけにする行為。  互いの愛を確かめることなく、一方的にする行為。  悲しさと虚しさで涙が出てくる。  それでもサイモンが達するまで、口の中で楔を扱く。 「ダメだ…ミカエル…、口を、離せ…!…っつ!」  言い終わらないうちに、サイモンは口の中で勢いよく達した。  喉の奥に精がぶち当たり、むせ返りそうになるのを飲みこんだ。  サイモンの味がする。  前は口の中で達してくれて嬉しかったのに、今は悲しみでいっぱいだ。 「ごめんね…サイモン…」  僕はサイモンの足の上に跨り、もう硬くなったサイモンの楔の先端を蕾に当てる 「な、何を…!?」  今からされることを感じ取ったサイモンは、力無くだらんと垂れ下がっている腕に力を入れようとしているが、痺れ薬がよく効いていて力が入らなさそうだ。 「ごめんねサイモン…」  もう一度謝り、サイモンの楔をゆっくりと挿入する。  すこしでも痛みがあればいいのに……。  そう思ってわざと後ろをほぐしていなかったのに、痛みどころか恍惚とさせるほどの快楽が電気のように、身体を駆け巡る。  ゆっくりとサイモンを感じるように、媚肉が飲み込んでいく。  指で虐められ躾けらただけでもおかしくなりそうだったのに、今まで届かなかった場所に楔が挿入されていく。 「あ、んんっ…きもち…いい…っ」  この快楽がずっと続けばいいのにと思ってしまうほどの、悦楽。  サイモンの楔をすぐに飲み込んでしまうのが勿体くて、小刻みに腰を前後しながら受け入れていく。  ずぶりずぶりと奥に入ってくる。  中からは蜜液が溢れだし、太ももを伝う。  もう我慢できない!  自分の体重をかけて、ずんっと最奥に楔を押し込む。 「んんん、ああぁぁぁ……っ!」  目の前が真っ白になり、一突きしただけなのに白濁とした蜜液が放出する。 「はぁ、あぁぁ……あぁっ……」  頭の先からつま先まで快楽が貫き、サイモンの体に倒れ込む。  するとサイモンから強烈なアルファの香りがした。  体内でオメガのフェロモンが爆発的に弾けた。 「くっ!」  サイモンが呻いたかと思うと、ガブリと首筋を噛まれ鋭い痛みが走る。 「……っ!、あぁぁ…っ」  その痛みすら感じてしまい、また達してしまう。  サイモンと自分の腹部が蜜が滴り落ちる。  この凶暴な楔で奥を侵されたら、どうなってしまうんだろう?  思うより先に楔の先端が最奥にめり込むように、律動する。  どうしよう、止まらない! 「サイモン…サイモン…っ、はぁぁ、、ああぁぁ…っ!」  初めてサイモンと繋がれたのに、愛のない行為。 「ごめんなさい…、ごめんな、さい……、ひぃ、あぁぁ…」  何度も何度も謝りながら、でも感じてしまう自分が穢らわしい。  我慢していた涙が溢れ出し、喘ぎ声と共に嗚咽が混じる。 「ミカエル…ミカエル…っ!」  強制的にラットになってしまったサイモンは、ミカの名前を呼びながら、何度も最奥に精を放つ。  蜜と精が混じり合いながら、その度に2人で達し、互いに意識が飛ぶまで獣のような行為は続いた。

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