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第3話-5 「抜いてみたら?」

そうして夏休みが明けて二学期に。 春と松山が主演したその映画は口コミで随分と広がりを見せ、朝のワイドショーで特集が組まれたり、本屋に並ぶ雑誌の表紙が二人のツーショットばかりになっていたり。 二人は夏休みの間にすっかり売れっ子の仲間入りをしていた。 二人セットで仕事で学校を休む機会も多くなり、
学校へ来ても二人で仲良さそうに話す姿を見て、
秋はなんだかそれを面白くないと感じていた。 夏休み明けしばらくして、やっと五人全員が揃い、久々にみんなで昼休みに昼食を摂ることになった。 
話題は、自然と件の映画の話になった。 秋と一緒に映画を見に行っていた高野は無邪気に感想を告げ、そして春と松山二人に質問した。 
「キスシーンってやっぱ男同士でも緊張するものなの?」 すると松山は答えた。 「撮ってるときは役としてしてるから、ドキドキするよ」 「やっぱ男同士でもするもんなんだな〜」と高野が返すと、松山が首を傾げ、そして言った。 
「どうかな、俺は恋愛対象が男だから”男同士でも”っていうのは分からないけど。」

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