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第10話-12 行きたかったな

秋は昼間のことを思い返す。
 そしていや違う違う!と早口で説明をする。 「や、あれは!あの次の日の朝に連絡が来て、俺はほら、やっちまった、ってすごいもう、一生頭ごちゃごちゃしてたから、もう、その気分転換っていうか、ほら、鍋の約束もさ、あれは無効になったのかどうなのかも俺ずっと迷ってて、でも連絡できなくて、もう、そういう感じで、気を紛らわせたくて、誘いに乗っただけで!」 息継ぎもせずそう説明する秋の話を聞き、
春は「そうだったんだ」と言った。 すると、外から大きな雷の音がした。 二人は同時に窓に目をやる。 そして秋は、
恐る恐る、言った。 「嫌じゃないなら・・泊まっていったら、今日」

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