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第2話~忘れられない夏~

「お前のせいだ——お前さえいなければ」という形が崩れかかる見慣れた顔がとけるようだった「お父さんやめて、お母さんおかさん ねぇ……」                              血だらけの母の首から流れる血は、イチゴのようにきれいだった甘く、鮮やかできれいな母の顔は死んだとは思えないくらい美しかったふわふわと綿あめのような茶色の髪が血で張り付く   助けて……誰か助けてよ——汗がだらだらと吹き出しながら悲鳴のようなに起き上がる 俺は、昔の嫌な思い出でのどが渇く、まだ俺が無知で母の愛情と父の愛情を受け取っていたはずだった……そう疑わなかったあの日までは…… 俺が十二歳の夏のことだった、中一の夏休みうだるように熱い日の夜水を飲みに行くとギャーという声とともに静かになる室内、寝室に母のところに行くと血だらけの母と父がいた 「なにこれ、ねぇ、お父さん……」というと見たこともない顔で俺を見る 「お前のせいだ——お前がいたせいで美由紀は死んだんだ お前が美由紀を変えて、俺からとったからだ」と言う父に頭が追い付かないいつも愛しそうに俺の頭を撫でていた父はそこにはいなかった増悪を向けてくる父にハクハクと答えられないでいると 父は俺に目をくれることもなく玄関に向かい外に出る 悲鳴で通報された、父はおとなしく警察官につかまる 俺はその日から——母親を殺された息子であり父親は殺人犯の息子 哀れな、そして周りからはかわいそうとさげすまれ、恍惚とした顔で見られるようになったのだ だから俺は誰も信じない——友達も離れていきはれ物に触るかのようだった 俺にはいないゆいいつのこっていたのはこんなことが起こる前に転校してったあいつとの記憶だけが俺を元の自分に戻れる存在だ 今どこで生きているかもしんでいるかもわからない二十六歳の俺、あいつは確か二十七歳くらいだろうか あったところで分からなくなっているかもしれない…… もう戻れないあの日の事を思い出しながら顔を洗うと、そこにはクズの顔を作る俺がいた もう俺は誰も信じない、離れられるくらいなら俺から落ちてやるこれでお前たちに裏切られたわけじゃない俺がクズだから離れていっただけだ フォークのαは、利用して利用しまくって、捨てられる前に捨ててやる 愛なんてこの世にあるはずはない、あったとしても俺には愛される理由はない縁のないものだ                       *                       *                        * 俺は味気のない口の中で口内炎を触りながらカップラーメンを食べる、汁まで飲むと、スマホを見る無機質なアプリから見る写真はイケメンで、ほかのフォークよりも段違いに顔が整っているこんな俺に何の興味があるんだろうか、物好きもいるものだなと思わず口内炎を噛み 「いった!」と涙が少し出そうになる 一応初対面だから、一番ましそうなTシャツとジーンズを入っていく金髪に染めた髪はプリンになっているしばらく髪も切っていないのでもっさりしてる まぁ、別に俺は番を見つけるのではなく、金のためだ我慢 どうせ、フォークなんかみんな一緒だ。ただのけだものだイケメンの皮を被った化け物だそれは俺は痛いほど知っている俺は、何も期待しないそれが、俺が呼吸が出きる条件のようだった

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