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第0話 プロローグ
子どもの頃から自分は主人公じゃないと感じていた。
小学生の頃は、学級委員やリレーの選手とは無縁。
生物係を3年間続けて、「生物係の鑑」なんて微妙な称号をもらった。
中学の頃はモテたくてサッカー部に入ったけど、ずっとあと一歩でレギュラー、みたいなポジションにいた。
唯一もらった賞は皆勤賞。それが思い出。
高校は工業高校の自動車科に進学した。
理由は単純、モテたいから。
自動車とかバイクとか、なんかかっこいいし、モテそうな感じがした。
でも現実はーークラス全員男。
仲のいいグループには正真正銘のイケメン、蓮がいる。
俺はただの太鼓持ちに落ち着いた。
まあ、みんないい奴らだし不満はない。
俺は“モブ”として十分役に立ってる。
それで満足だと思ってた。
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