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01.ここはいわゆる売春を裏メニューにしている宿なんだよね

 高2の夏休み、俺は海辺の旅館でバイトをした。俺の地元は県内だけど海は遠い街で、温泉も海水浴場もあるこの地にはその年初めて訪れた。  駅から温泉街の辺りは賑わっているけれど、少し離れた源泉近くはリゾートマンションや会社の保養施設、それから山肌にへばりつくような立地の旅館があって、俺のバイト先もそんな感じなところ。バスも通っているけど本数は少ないし、とても駅まで歩けるような距離でもない。けれど旅館から送迎のマイクロバスが出てたから、お客さんのアクセスはそのバスかマイカーってことが多かった。  この旅館は同高の先輩の友人の親戚の経営しているって、近いようで遠いツテで紹介された。賑わってる立地と違ってお客さんも少なそうなのに、バイト代はそこそこ良かった。同じような学生の夏休みバイトも居る。けれど若い女の子のバイトはひとりも居なくて、おばちゃん中居さんだけだった。  ここのバイト代が業務内容の割に良かったのは、ここの特別なサービスが理由。ぶっちゃけちゃうと、ここはいわゆる売春を裏メニューにしている宿なんだよね。もちろん非合法だけど、ウリをしてるのが全部男で、お客も男ばかりだったから正確にはセックスとにはならないってよく分からない理屈。夕飯終わって2時間もすると、ウリもやってるバイトたちが指名を受けた客室へ入っていく。  俺はそっちの業務はやってなかったから、板場で残りの片付けを手伝って、朝は遅番なウリ組とのシフトの兼ね合いで早めに就寝する。  旅館と言っても客室はほとんど離ればかりで、本館までエロい気配は届かないし、気にもしてなかった。フロントや宴会場で見かけるオッサンたちも、みんなこのあとホモセックスすんのか~って思っちゃうことはあったけど、俺には関係ないし。ウリ組はシフトで分かったけど、そんなに偏見なかったって言うか嫌悪感みたいなのある訳じゃないし、お疲れサマって思ってた。  たまに廊下や庭先歩いてる時とか、エレベーターの中でお客と2人っきりになっちゃった時に、 「今夜、指名入ってる?」  なんてナンパみたいなことされることもあったけど、 「俺は早番なんで、すいません」  って答えると、ウリはやってないって隠語として分かってくれた。ちょっと残念そうに「そっか、ごめんね」って言われるけど、俺みたいなタイプでもニーズってあるもんなのかな?  でっかい宴会場が入るとウリ組足りなくなることもあるらしく、旅館側からスカウトの声もかかることがある。だけどウリ業務で契約したバイト以外はほとんどノンケ……って言うの? 男が好きなわけじゃないヤツばかりだから言われても困る。けどその時に提示される金額がものすごくて、俺もノンケだけどちょっとグラつくくらいは貰えるみたいだった。つーか、ウリ組はいくら貰ってんの!? っていう。  たまに、スカウトからウリ組シフトへ転向するヤツもいて、もしかしたら純粋にノンケでは無かったのかも知らないけど、すげーな……って思ってた。  俺もローションやコンドーム、タオルなんかの補充でルームサービスしたことあったけど、やっぱ生々しいのはさすがに戸惑う。しかもデカい宴会場入った時は、ウリ組足りないから大乱交みたいなこともあるらしい。5対1くらいで輪姦されることになるみたいで、翌日のウリ組は半休状態って言うんだから相当なんだろう。そういう時は特別ボーナスも出るから、文句は出ないようなんだけどね。  お客はオッサンが多いけど、若い人もいる。中には独身サヨナラパーティー的な感じでやってくるグループや、町内会のオッサンたちに連れてこられた若パパとか。数泊は温泉街の方で遊んで、散々女の子ナンパしてきたチャラ男たちが、最後の夜だけ男とヤリに来るとか。とにかく色々。 ■  最初の夏はそんな感じで過ごした。凄い世界があるな、とか思ったけどそれだけのこと。大抵は普通のバイトと変わらない。  そして冬休み前にまた声を掛けられて、二度目のバイトは冬休み。年末だからか忘年会がてらの団体客が多くて、宴会も乱交も多くて。大浴場では欲情すんなってルールなのに、客同士でおっ始めようとする奴らは慌ててフロントへ連絡した。  この冬の時、俺が2人組の客に便所に連れ込まれてちんこしゃぶられる事件が勃発した。嫌だって言ったし早番だって言ったのにやめてくれなくて、1人に後ろから口を塞がれて、もう1人にフェラされた。初めて男にちんこしゃぶられた。  完全にルール違反だし、ノンケのちんこしゃぶりたかったっていう悪質な確信犯。結局俺は離してもらえずに、イクまでしゃぶり続けられた。イク時の、あの絶望的な気分は忘れられない。だけどイッた瞬間からは、ちんこ溶けちゃうんじゃ無いかってほど気持ちよくて、出したの全部飲まれたし、出し終わったちんこの先も舐められ吸われた。  そのまま放置され、便所の床で座り込んでた俺は社員さんに発見されて、その日はそのまま寮部屋に帰らせてもらった。宿の経営形態の関係から、襲われても警察になんていけないこと、この時になって改めて気付かされた。  俺を襲った客は出禁のペナルティを食らったけど、それだけ。俺の方には口止め料が渡された。男にフェラされて1万。ショックはショックだったけど、すげぇって思った。  ケツ貸すのとかはムリだけど、フェラくらいなら男にされても大丈夫かも知れないって。でもこの宿はウリだけだし、俺のことケツはそーいうことには使えないし。  だから俺は仕事終わりに大浴場へ行く時、他のバイトとは時間をずらして行ってみることにした。バイトは仕事終わりに大浴場を使えることになってる。大抵その時間には客はウリ組と部屋に引っ込んでるからかち合うこともない。けれど修学旅行生じゃあるまいし、集団で使うと占拠しちゃうくらいの広さだから元々時間はずらしてた。  それで俺は微妙に時間をずらし、1人きりで大浴場に向かうことにした。運が良ければ客とかち合って、チラチラとこちらへくれる視線を感じることが出来る。ここに居るってことは早番組だって分かってるだろうけど、DKの裸体をチラ見せずにいられる客も少ない。  だから俺は浴槽の縁に尻を乗せ、コッソリってふりして手コキでちんこを勃起させた。  客の目がチラ見どころかガン見になって、近づいて来て、 「舐めたい?」  って聞いたらうなずかれる。  そっか、俺のちんこ舐めたいんだ? って思ったらゾクゾク♡ して、足を開いてやると、しゃぶられた。  男の口の中、めちゃくちゃ気持ち良くて、俺は浴場の天井見上げながら喘いでた。オナニーしてる時だって声なんか出さないのに、男にちんこしゃぶられたら興奮と快感に夢中になって。 「出るッ♡ 出るッ♡」  甘ったれた声漏らしながら男の口の中に射精して、 「気持ち良かったです♡」  笑ったらキスされた。  口の中精子の匂いして気持ち悪かったけど、何度目かで慣れた。俺はそんなことを毎晩繰り返し、色んな男にちんこしゃぶってもらってた。そしたらそのうち俺にちんぽのしゃぶり方教えてくれる客や、ケツ穴の中に指を入れてくる客も出始めて、俺はちんぽのしゃぶり方とケツでの快感も知ってしまった。だけど、ホモセックスは一度もしないまま、冬休みも終わった。 ■  春休みはさすがに短いし、次のバイトは夏休みまでお預け。それまでにはケツでセックス出来るようになって、今度はウリ組で応募できるよう頑張ってみようかと思う。  3学期から、俺はマッチングアプリで男と会うようになった。  最初はDKなの誤魔化して、会ってから野暮なことはも聞かれないし俺も黙ってる。だけどみんな察してあるのかホテル代出してくれるし、飯も奢ってくれた。  でも約束はフェラとかケツ舐めとかバニラまで。挿入は無し。交渉次第では指入れまでもOKにしてて、そのうち慣れてきたらディルドやバイブ突っ込むのもOKにしてった。  俺はケツでイクとキスして欲しくなるから、キスもいっぱいした。男とキスすんの、めちゃくちゃ興奮するんだよね。ヒゲとかあると更に興奮増す。タバコの匂いも好き。夢中になってベロチューしてたら、また突っ込まれた指やディルドでイカされる。  そしてある日、もう何度も会ってるお気に入りの男の人にちんぽハメてもらった。その人は30代のリーマンでバイらしく、左手の薬指に指輪もしてた。DK好きな変態で、毎回俺のケツ舐めて舌突っ込んで来る人。キスも手マンも上手い。 「本番したい?」  って聞いたら、 「良いの!?」  って食いついてきて、 「俺の初めてなんだけど……」  って言ったら、息詰まるほどめちゃくちゃ興奮してた。  それで、初めてのホモセックス。彼のちんぽが入って来たとき、さすがに俺も震えた。  ヤバい、やっぱダメ……って怖気付いた時にはもう避けられなくって、ハメられるなり、 「やだ……、だめ、だめ……」  って泣けて来たら、彼のちんぽはますます大きくなってった。  それが俺の初めての体験。最初こそ怖気付いた俺だけど、結局その日は3回もシて、ケツにハメられながら手コキしてイッた。  次からはその人と会うたびにセックスして、俺はどんどんケツでの快感にハマってった。もうケツもいじんないと普通のオナニーではイケないってくらい。  他で会ってた人ともヤるようになって、色んなちんぽで色んな快感も覚えてった。中には怪しげな薬を飲ませて来た人もいて、狂うくらいのキメセクなんてものまで知ってしまった。  俺は完全にメス堕ちして、セックスするとちんぽ欲しくてたまらないメスになる。学校でも先輩のセフレ出来たから、回数も増えてった。

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