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第135話
あまり人目につかない道を選びながら、凪はツバキやナイーマを伴ってヒバリの部屋へ向かった。ノックをすればすぐにポリーヌが顔を見せる。ツバキが会いたがっている旨を伝えると、ポリーヌは少しだけ何かを考えるような仕草を見せたが、すぐに中へ招き入れてくれた。ツバキとナイーマを先に通し、凪はその後に続く。チラと視線を向ければ、ヒバリはいつものようにソファで静かにロールの背を撫でていた。
(それにしてもこの犬、なんかずっと小さいな)
凪は犬に詳しくないが、子犬のうちはたった一月でも大きく見た目が変化するはずだ。ロールが現在何歳なのかは知らないが、ゴールデンレトリバーと考えればヒバリの腕にスッポリと抱くことのできる小ささは生後数ヶ月といったところだろう。ならばなおさらに多少は大きくなっていても良いはずなのだが、凪の目にはほんの少しも変わっていないように見える。
不思議だ、と思いつつもツバキが口を開いたので、凪はもしかしたらゴールデンレトリバーだと自分が思っているだけで、本当は成長の遅い犬種なのかもしれないと雑な結論を出し、意識をツバキの方へ向けた。
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