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第244話

 盗聴器が壊されて少しばかり後手に回っている自分たちにどれほどの猶予が与えられるのか。兵の動きにチラと視線を向けつつも頭を働かせ続けるサーミフに、閣下は苦笑した。 「君を思えば安心材料をあげたいところだけど、残念ながらそれはできそうにない」  悲しいことにね、と呟いた閣下にサーミフは瞼を伏せる。ヒバリも戦えないとあっては、救出の仕方も考えなければならないだろう。そう考えていた時、建物の影から誰かが飛び出してきた。突然のことにディーディアの兵たちが身構える。しかしそれを片手で制し前に出たのはウォルメン閣下だった。 「旦那様! 遅くなりましたッ」  飛び出してきた女性は転ぶ勢いで閣下の前に膝をついた。よほど急いで来たのだろう、その肩は上下に激しく揺れ、額からは大粒の汗が流れていた。 「ヒバリ様は車で連れ去られました。なんとか車に取り付けた発信機は見つかっていない様子。こちらをご覧ください」  そう言って彼女は持っていた端末と銀色の細かな装飾が施された首輪のようなものを閣下に差し出した。おそらくはそれがヒバリの首元から外され破壊された盗聴器なのだろう。その両方を受け取ると、閣下は端末を見てほんのわずかに眉根を寄せる。そしてサーミフを見た。 「ディーディアの兵を貸して欲しい。おそらくここにヒバリも凪殿もいるだろう」

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