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第250話
「ヒバリは私にとって唯一の子だよ。そしてヒバリにとっても私が唯一だ。君は今回私がヒバリをディーディアに置いて調査に参加させたことを疑問に思うかもしれないが、私としては息をするよりも当たり前のことなのだよ。ヒバリはね、後悔することが嫌いなんだ。だから私は彼の嫌がることは、後悔するようなことはさせないと誓った。そのためなら何でもするとね」
だから君にハッキリと言おう。
「あの子の名前はヒバリ・ド・ウォルメン。私の最愛にして庇護すべき子だ。君が何を疑っていたのかを聞く気は無いが、あの子の行動はすべて私の責任なんだよ」
つまり閣下が関わらず、ヒバリが独断で動くことは無いと言いたいのか。それともヒバリが独断で動いたとしても、その結果はすべて閣下が請け負うということなのか。どちらにしても彼らが公言しているような普通の主従ではない。まして閣下の姓をいただく従者など。
「君はヒバリが凪殿と以前、兎都の舞踏会で出会っていることを知って警戒していたのだろう? あぁ、勘違いしないでくれ。なにもそれを責めているわけじゃない。私は本当にヒバリの心が脅かされなければその他はどうでも良いからね」
王の大切な小鳥を疑った。そのことを指摘されてほんの僅かに瞼を震わせたサーミフに、閣下は安心という名の牽制をした。
きっとヒバリはサーミフが疑っているという事実を知っているだろう。だがそれを決して本人の目の前で明言するな、と。
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