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第271話

 バンッ! と闇夜を切り裂くような銃声が聞こえたのはディーディア兵たちが三階から侵入しようとした、まさにその時だった。侵入がバレて撃たれたのかと一同に緊張が走ったが、すぐに監視カメラを見ていた兵から、こちらの存在が知られたわけではないと報告が入る。しかし安堵などできようはずもない。続けてもたらされた報告にサーミフは息を呑んだ。  凪が足を撃たれ転倒。庇うように前に出たヒバリは胸を刺され重症。  事は一刻を争うと、兵は玄関内部に設置されている監視カメラの音声をサーミフらに直接繋いだ。少し雑音は入るが、十分に聞き取れるそれに耳を澄ませる。視線の先では兵士たちが扉の隙間から幾重にも取り付けられた鍵を怖そうとしていた。  派手な音をたてては中の者に気づかれる。現時点でさえ最悪の状況なのだ。これ以上相手を刺激して追い詰めてしまえば、何をするか予想もできない。だが、すでに凪もヒバリも血を流している。下手をすれば出血多量で命の灯火が消えるだろう。  耳につけたそれからはヒバリの声が聞こえる。嫌な咳が聞こえると同時に、凪の声がまったく聞こえない事実にサーミフは唇を噛んだ。  もしや……。

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