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第134話
「やけに静かだとは思わないか?」
「あぁ。さっきまであんなに船が揺れていたのに。今は静かだ。波の音さえ気にならない。それに生暖かい風が吹いている」
「もしかして嵐の前触れか?」
「あぁ。天気が急変するかも知れないな。ゲリー、サクさまの側にいてくれ。俺たちは殿下たちを呼んでくるから」
「分かったわ。任せて」
ウィンクをするゲリーさん。
スフィルさんとゲオリクさんが甲板へ急いで向かった。
「じゃあ、そろそろアタシも本領発揮かしらね。ずっとか弱い女子を演じていたかったのに。残念だわ」
ため息まじりに頬に手をあてるゲリーさん。鞘の紐を解いてから腰帯からタガーを抜いた。ゲリーさんもしかしてめちゃくちゃ強い?
「演技だったんですかって聞きたそうな顔してる。でもほら、よく言うじゃない?能ある鷹は爪を隠すって。相手を見極めて、油断させるにはまず身内からってね」
ふふっといたずらっぽい笑みを浮かべるゲリーさん。
「ちょっとチビ竜、飛竜の端くれなんだから船が沈みそうになったらサクさまだけでも助けなかったら丸焼きにするわよ」
ゲリーさんに睨まれ、さっきまで鳴いていたチビ竜がギグっとしてぴたりと鳴き止んだ。
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