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序章 /7
「ここは酒場だ。ここにいる全員皆が日頃の鬱憤を晴らしに飲みに来ている。誰もおまえさんの話なんざ聞く耳持たんさ」
いくら窮地を救った騎士とはいえ、なかなか信用しきれないのだろう。肩を竦める仕草をするデューイに、フード男はヒースに目配せした。
「ここにいる連中は誰もが日常的なしがらみにはうんざりだ。もちろん、おれも含めてな」
ヒースも同意すると、フード男は冷や汗を流しながら、静かに口を開いた。
「王家に反逆の意があり。王子直属の毒味役が亡くなりました。メイフィールド国。つまり、メイフィールド城へお越し下さい。これはサイモン王直々のご命令でございます」
《Nightmare・完》
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