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季節外れの台風-4
「……っ」
怪しいから見ようだとか、興味本位で見ようだとか、そういうつもりは全くないし、いつもなら気にすることもないのに、勝手に視界に入ってきたその文字、内容に、思わず息が止まった。
おそるおそる手を伸ばし、それを手に取ると、改めてメッセージを確認する。
“やっぱり俺、華ちゃんのこと好きだわ”
「……何だこれ」
相手は華の職場の先輩で、華の口からよく名前を聞く人だった。
頼り甲斐のある先輩だといつも嬉しそうに話していて、職場に良い先輩がいる安心感は俺も分かるから、彼の話をされるたびに良かったねと思っていたのに。
ただの先輩じゃなかったってこと?
「あ……」
少しの時間を空けて送られてきた次のメッセージは、“今の彼氏と別れて、俺にしない?”“この間のデートも楽しかったし、体の相性も良いと思うんだよね”だった。
何の根拠もなく、自分たちは大丈夫だと思っていたのに。信じているとか、そんな話でもなく、浮気は全く関係のないものだと思っていたから。起こるはずもないと。
それなのに、もしかして浮気しているのか? と疑う過程すらなく、いきなり浮気しているであろう事実を突きつけられて、正直理解が追いつかない。
……こんなことってある?
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