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可愛いと思ったら負け-14

「航大、俺、いつか最後までしたい」 「えっ、あ……うん……」  何なら俺は今したいんたが? と思い、自分のほうが求めている事実に恥ずかしくなる。このまま慣らして挿入するつもりはなかったんだ。  触れ合いの最後は、そこまでいくと思ってたのに。でも、そっか、準備もなしには無理なのか。 「……航大はどっちがいい?」 「ええっ? 考えてなかった……」  どっちがいいとは? 俺が挿入される側ではなくて、翼を抱く選択肢があったの? 「まあ、そうだよね」 「えっと、翼は考えてた?」  俺は自分が抱かれるばかりで、翼を抱くなんてちっとも考えていませんでした、とは言えず、勘違いしてくれている翼に話を合わせる。  少し真面目な話になっていると思うのに、翼は俺のを握ったままで、弱めの力でゆっくり扱くから、刺激が足りずについつい自分で腰を動かしてしまう。 「まあ……、俺は航大のこと抱きたいってずっと思ってたけど、別に俺が抱かれるほうでもどっちでも。航大と繋がれるならそれだけで充分です」 「お前、繋がるとか恥ずいじゃん……」  改めて繋がるとか言われると、今以上の快楽や繋がったときのふたりを想像して恥ずかしくなる。  さっきからそのことしか考えていなかったうえに、自分で刺激を求めて腰を動かしているようなやつが、そんなことを思うのは変かもしれないけれど。

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