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可愛いと思ったら負け-17

 呆気なく果てると、今度はさっきより勢いがなく、翼の胸元に飛び散った。  それを見た翼の呼吸も荒くなり、俺より少し後に果てると、若さの違いなのか何なのか、俺の顔や髪の毛にまで飛んできた。 「……え?」 「まじでごめん」  目の近くにかかっていたのは翼が指先で拭い、それからティッシュで丁寧に拭いてくれる。 「こんなに出したのに……、まだ元気じゃん」  俺の顔や髪をいまだ拭き続ける翼のちんこを指で弾くと、それだけのことでさらに反り上がる。  俺は2回も果てて、それでけっこう満足したけれど、翼はあと1回出したところで、全然落ち着かなさそう。  ……俺が抱かれるほうだとして、体力的に大丈夫なのか? 俺、死ぬんじゃない? 「もし仮に、俺が翼を抱きたいって言ったら? それ受け入れられるの?」 「うん」  翼の亀頭をよしよしと擦りながら、そう尋ねると、突然の問いだったにも関わらず迷いなく即答された。 「でもずっと、俺を抱きたいって思ってたんだろ?」 「うん」 「なのに抱かれても良いなんてさ。抱きたい気持ちを貫かないのかよ」 「航大の気持ちが大切」 「健気じゃん……」  ある程度きれいに拭けたようで、翼は俺の頬にキスをした。  自分のはまだこんなに元気なのに、こうして俺のことばかり気遣って、あげく抱かれても良いだなんて。  俺のためなら、ずっと抱えてきた思いを変えても良いと思うんだ。   

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