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どうしてこうなった-21

 結局小春と電話した後も何もできないまま、翼と松山さんのデート当日を迎えた。   何をどう動くかも決められていないのに、予定時間よりも早く、ふたりの待ち合わせ場所で待機する。  ここで翼が来なければ、俺だって連絡がしやすいのに、とそんなことを思いながら、全体を見渡しやすい場所に立っていると、俺の期待は外れ、待ち合わせ場所に翼がやって来た。  来ない選択肢がないどころか、待ち合わせ時間の20分前から来るなんて、まるで今日のデートを楽しみにしていたみたいじゃないか。  俺の誠意を見せるどころか、そもそも見せる必要がなさそうだ。  翼は俺との関係を修復したいと思っていないのかもしれない。  昨日、小春に押されたままの勢いで、連絡しなくて良かった。  そう思いながら背を向けたとき、「すみません!」と翼の声がした。    思わず足を止め振り返ると、飲み会の場やバイト終わりに見たときとは印象の違う松山さんがいて、その松山さんに対して翼が頭を下げていた。  翼の声が大きかったからか、いくら人が少ない駅とは言え、ふたりを気にして視線を送る人もいる。 「分かってたよ」  松山さんが俯き、爪先で地面を蹴る。翼も頭を下げたままだ。 「あの保護者でしょ?」 「え?」 「ただの保護者じゃないって、ずっと分かってたよ」

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