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第1話
どうしてこうなったのか。
隣に眠る男性から視線をはずせないまま頭を働かせる。
確か昨日は遅くまで飲んだ。
久しぶりの休日前夜。
年甲斐もなく浮かれ、街に繰り出した。
娘と言ってもおかしくない年齢のキャバ嬢に勧められるままに赤ワインをボトルで空け、勢いでウィスキーも注文した、気もする...
「......てか、誰だ。お前。」
ぐっすりと眠った若者に呟くが返事など返ってくるわけもなく。
飲みすぎた頭がズキズキと痛むばかりだ。
駄目だ、思い出せない。
考えるのも面倒くさくなり、そのままもう一度ごろんと転がる。
べつにこの男が何者でも構わない。
ただ、
なぜかお互い裸で、
覚えのない使用済みコンドームがベッド脇に落ちているだけだ。
......4つも。
ヤった、、、んだろうな。
確実に。
「はぁぁぁぁぁ...」
大きなタメ息が溢れる。
男とヤる趣味はない。
だが、この状況からして言い逃れはできない。
とすると問題は一つ。
抱いたのか?
抱かれたのか?
「............」
認めたくない。
尻が、
尻が痛いことなんか....!!
「......ん...」
「あ、」
寝返りと共に閉じられていた瞳が開く。
ゆっくりと瞬きをした後、その瞳が大きく見開かれた。
「...って、うわぁぁぁあ!?」
「どぁぁぁあ!?」
「は???え、なに、誰だよオッサン!」
叫び声に驚き、つられて叫べば慌ただしく身を起こした若者に指差された。
「誰がオッサンだ!歳上を指差すんじゃねえ!!」
「イデデデデデ...!!折れる!折れる!」
喚く男。
その首筋には真新しいキスマーク。
信じられん、こんな騒がしい男と関係をもったのか...
さらに激しくなる頭痛に額を押さえ、本日2度目の大きなタメ息を吐いた。
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