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2-1 ※
19時半。
会社帰りにスーパーに寄ってきた俺は、アパートのエントランスに立っている優成を見つけた。
「優成、こんなとこで何やってんだよ」
8月も後半だけど、まだまだ熱帯夜だ。
立ってるだけでも汗をかく。
「お前が心配で待ってたんだよ、バカ」
優成が俺の手から買い物袋を取り上げた。
「お前んち行くぞ」
そう言って、スタスタとエレベーターに向かい、4階のボタンを押した。
俺の家について、買ってきた食品などを冷蔵庫に入れ終わると、俺はドカッとベッドにダイブした。
「あー……つがれだーー!」
優成が俺の腕を掴んで仰向けに転がしてきた。
「シワになるからスーツ脱げ」
「あ、はい。お母さん」
俺は優成に言われるがまま、ジャケットを脱いだ。
ついでに冷蔵庫に行ってビールを2本取り出し、1本を優成に手渡した。
──プシュッ
仕事終わりの1杯のために生きている、と言っても過言じゃない。
俺のこのダラけたわがままボディを作り出しているのも、仕事終わりのビールちゃんだ。
優成がベッドに座りながら、心配そうに声をかけた。
「今日、何もなかったか?」
「うーん。トイレはちょっと困ったけど、あとは何もなかったよ」
「……トイレ困ったって何?」
優成の眉間のシワが深くなる。
「ほら、常に個室に入るし、ちゃんと拭かなきゃいけないしさ」
「はぁ……。それだけなら良かったけど」
優成がビールをゆっくりと仰いだ。
「あと、まんこ拭くときに喘いじゃうのが困る」
──ブホッ!!
「うわ!きったねー!」
「ゴホッゴホッ……世利、敏感すぎない?」
苦しそうに息をしながら優成が心配してくれる。
「そうなの?女の子みんな、こんなんじゃないの?」
「……違うだろ」
確かに。
みんながおしっこの度に喘いでたら、女子トイレが喘ぎ声で大乱交になっちゃう。
…………それは、それで良いな。
俺が卑猥な妄想を繰り広げていると、優成が俺のベルトに手をかけていた。
「え、何?」
慌てて優成の手を掴む。
「そんなに感じるのは、心配だろ。ちょっと見せてみろ」
そうなの?
感じ過ぎも良くないの?
AVとかでは当たり前な気がしてるんだけど。
やっぱAVはファンタジーか……。
「検査、よろしくお願いします」
俺はそう言って、勢い良くパンツとズボンを下にずらした。
俺のベッドに座っている優成の前に、仁王立ちで陣取った。
「男らしいな、お前」
優成が呆れ顔で俺を見上げた。
改めてじっくりと股間を見ると、やっぱりまんこがそこにあった。
違和感しかない。
俺はおもむろに両手を伸ばし、陰唇を左右に開いた。
中身が丸見えだ。
自分の股間についたまんこを俺は初めてちゃんと見た。
「うわ!!おいおいおい!!」
優成が慌てた様子で俺の腕を掴んだ。
「え、なに?」
「ちょ、まて……。お前がやると、その……」
優成がモゴモゴとハッキリしない喋り方をする。
こんな優成、珍しいな。
「とにかく、俺が触ってやるから」
「お願いします」
仁王立ちの俺は、伸びてくる優成の人差し指を目で追った。
触れそうで触れない距離に、俺の鼻息が荒くなる。
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