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俺は下半身を生まれたまま……ではなく、生まれたときとは様変わりした姿を、優成の目前に晒している。 「やっぱ、まんこだよね」 しかも、パイパンだ。 男の勲章と、申し訳程度の陰毛は跡形もなくなっている。 「手術、成功か?」 青ざめた顔で優成が俺の股間を凝視している。 「手術した記憶はないけど。……ハッ!もしかして宇宙人か?」 俺は銀色デカ黒目の宇宙人に、レーザーでちんこを切られる姿を想像した。 ──恐怖しかない 俺が戦々恐々と体を震わせていると、優成が小さく声を上げる。 「なぁ、まんこ触ってみてもいい?」 「……え、は?」 「ほら、本当にそうなのか、これじゃまだわかんないじゃん」 優成は俺のまんこ(仮)を見つめたまま動かなくなっている。 まぁ、確かに優成の言ってることもわかる気がする。 自分で確かめるのも勇気がいる。 それに、俺は童貞だ。 確かめようにも、本物を触ったことはない。 「い、いいけど。いや、むしろお願いします」 「いいのかよ……。逆に心配になるわ」 その時の俺は羞恥心より好奇心が勝っていた。 優成は俺の手を取りソファに座らせ、自分は俺の足の間の床に座った。 そして、俺を見上げる。 「足、開いて」 俺は優成の言うまま、両足をゆっくりと広げた。 優成はそのまま俺のかかとを持ち上げて、ソファの上に乗せた。 「うわあ……M字開脚ぅー……」 俺は自分の格好に興奮した。 「うるせー、触るぞ?」 優成の人差し指と中指が、ゆっくりと俺のまんこを広げていく。 優しく触られているのがわかる。 ドキドキと俺の心臓が騒がしい。 「ひやぁぁぁ……」 俺は両手で顔を覆うが、目だけは見えるように指を避けていた。 「穴はある」 優成の冷静な声。 「穴ある!?」 「クリも……ある」 「クリもある!?」 俺はこだまのように大声で繰り返した。 「これは……」 ──ゴクリ。 「まんこだ」 「まんこかー!!!」 「うるせーって。朝だぞ!」 その時、一瞬優成の指がクリトリスを触った。 「……っあ!」 ビリリ、と下半身に電気が走った。 「うわ、やばい。クリ、やばい!」 俺は慌てて自分の口を抑えて、今感じたことを優成に伝えた。 「そうなの?感度も女と同じ?」 「それは知らないけど。……え、もう一回触ってみて」 興奮気味に優成にお願いをする。 俺の言葉を聞いた優成は、ゆっくりと指を這わせた。 「あっ……やば……んん!!」 俺は恥ずかしさよりも、快感に体が震えた。 クリトリスが優成の人差し指に優しく潰される。 左右にゆっくりと弾かれると、俺の体もビクッと反応する。 腰が浮いて、勝手に揺れてしまう。 「…………」 優成のギラつく目が──男の顔をして俺を見つめる。 指がゆっくりと移動して、入り口をプチュプチュと出入りし始めた。 「うわわ……音ぉー……あんっ、エロすぎる……」 自分のまんこから出る厭らしい水音に、更に興奮が高まっていく。 ──プチュ……グチュグチュッ…… 「はっ……あう、ゆうせっ……ゆうせぇ!」 俺の体は簡単に快感にのまれて、口からは喘ぎ声と優成を呼ぶ声しか出てこない。 「んん……もっと、もっと……して」 優成の指は既に2本に増えていて、俺の気持ちいいところを激しく攻めている。 反対の指はクリトリスを優しく摘んで転がす。 「やばっ……あっそこ、やばあぁ……」 視線がボヤける。 口からは涎が垂れている気がする。 優成の指がクリトリスを強く潰した瞬間だった。 ──ビクビクっ! 俺の体が小さく痙攣して、太ももに力が入る。 「あっ……あ……」 俺のまんこから──ちゅぽんっ、と指が抜けた。 だんだん視界がクリアになってきた。 優成の顔を見ようと下を向くと、そこには肩で息をするギラついた男が座っていた。 「ゆ、ゆうせい……」 俺の声に優成の体がビクッと反応して、慌てたように立ち上がった。 「ほら、お前、パンツ履け!」 「うわっ!」 俺の顔面にパンツを投げつけてくる。 それを受け取って、俺は言われるままパンツを履いた。 そして、気がついた。 「グチョグチョでパンツ濡れる」 「おまっ……、ちょっと黙れ!」 何故か優成がブチギレながら、俺にタオルを渡してきた。 「なにキレてんだよ。 とりあえず俺のここは、まんこって事がわかったんだろ?」 「うん……」 優成がどこか部屋の隅を見ながら答えた。 さっきから全然視線が交わらない。 そのとき、俺は目に入ってきた時計を見て慌てた。 「あーーー!もうこんな時間じゃん! 会社遅れる!」 「は?お前、その体で会社行くのかよ」 「え?行くだろ?行くよ。図書館に本も返さなきゃ」 そう言いながら俺は玄関に行き、左右の違うサンダルを履いて、扉を開けた。 「世利、なんかあったら、俺呼べよ?」 優成が心配そうに俺に声をかけてくる。 「大丈夫大丈夫!じゃ、また連絡するー」 「お前、本当にわかっ……」 そして、俺は一つ上の階にある自分の家に戻った。 扉が閉まる前、優成が何か言ってたけど、とりあえず今は会社に行かなきゃ。 それにしても、さっきのは気持ちよかった。 優成、またやってくれるかな。

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