19 / 44

8-2 ※

──チュッ……チュ 首筋に熱い感触が落ちるたびに、心臓がドクドク暴れて止まらない。 「ん……っ、あ……」 声が勝手に漏れ出す。 優成の唇が鎖骨のあたりに触れた瞬間、全身がゾワッと粟立った。 「あっ……くすぐった……」 俺は思わず肩をすくめて、優成を押し返そうとした。 けれど、優成はそのまま、座る俺の手首を頭上でまとめ、壁に押さえつけた。 「……世利」 左耳に口を近づけて優成が低く囁くと、俺の下っ腹あたりがキュンと疼いた。 ──?! 初めての感覚に俺は目を丸くして戸惑った。 俺の戸惑いには気が付かずに、優成は耳に舌を入れて舐め上げてきた。 「ひやあ!!!」 俺は頭のてっぺんからブルっと震えて情けない悲鳴を上げた。 「優成!耳はブルっとしてイヤだ!」 耳を押さえながら優成を睨みつけた。 「耳はダメ?」 「はぁん……」 また耳元に感じた優成の色っぽい声に、鼻から抜けるような喘ぎ声が出た。 それだけで、俺の下半身がモゾモゾと揺れる。 ──ヤ、ヤバイ。 優成の声で下っ腹がおかしい…… 優成がクスッと笑った。 「……へぇ、声だけでそんなになるんだ」 「ち、違っ……!これは……っ」 否定しようとしたけど、俺の下腹部は正直に疼いている。 「……違うの?」 また低い声が耳に落ちてきた。 「ひゃっ……!あっ……!」 その一言だけで、腰がガクッと抜けそうになる。 「もっ、だめ……それ、やめて……」 俺は優成の顔に両手を押し当て思いっきり引き剥がした。 優成は顔を剥がされても抵抗せず、静かに俺を見下ろしてきた。 そして、口元にある俺の指を長い舌で舐め上げた。 「ひょえっ!!!」 優成は俺の手首を掴み、人差し指から順番にしゃぶっていく。 ──チュプ……チュパ…… 俺は顔を真っ赤にしながら、その卑猥な指攻めから目が離せなくなった。 火照った体のせいで、座っているフローリングがやけに冷たく感じる。 「世利、まだしても……いい?」 小指の先に絡む舌の熱さと、潤んだ瞳に見つめられる感覚で、心臓が爆発しそうになる。 エッチだ……。 エッチすぎる!!! 指舐められてるだけなのに!!! 「俺、この先……どうなっちゃうの?」 「アハ、次回予告か? ……どうなっちゃうんだろうな?」 優成は余裕のある笑みを浮かべて、俺の手首を開放した。 そして、ゆっくりと俺のシャツのボタンに指をかける。 ひとつ、ひとつボタンが外れるたびに、俺の胸が激しく鼓動する。 大きく開いたシャツの襟元から見えるインナーに優成は手を這わせた。 ゆっくりと、手のひらが左胸を撫で始めた。 俺は自分のドキドキが優成にバレてしまうかと思って、身を固くした。 「ゆ、ゆうせ……そこは……」 インナー越しに撫でる手のひらが、だんだんと胸の中心に寄ってきた。 心臓の鼓動に合わせて、俺の息も浅く速くなっていく。 優成の親指が、布越しに尖りをかすめた瞬間── 「んんっ……!」 胸の奥から電流が走ったみたいに、全身がビクッと跳ねた。 「……世利、もしかして乳首感じる?」 優成の声は低く、熱が混じっている。 指先がほんの少し擦れただけなのに、俺の体は正直に反応してしまっていた。 「そんな……今まで感じたことなんてなかった……」 俺は自分の反応に驚いていた。 今までどれだけ独りで乳首を弄ってみたことか。 その度、何も感じなくてショックを受けてきたのに。 優成がインナーの上から触るだけで、一瞬で性感帯に変わってしまったみたいだ。 「……ほんとに?」 優成が口元を歪めて、わざと尖りを指でコリッと押した。 「ひゃぁっ……!」 また下っ腹からジュワっと疼く感じがして、俺は声を張り上げてしまう。 「やっぱり……感じてるじゃん」 優成の声はねっとりと熱を帯びていて、逃げ場なんて与えてくれない。 「ち、違う……! 俺、こんなの知らな……っ」 必死に否定する俺の胸を、親指と人差し指が摘まんで軽くひねった。 「世利の乳首って、乳輪大きめだよな……」 「ひあぁっ……!」 全身が跳ね上がる。腰まで勝手に浮いてしまった。 「世利、ここ弱いんだな」 低い囁きとともに、今度は唇が反対側の胸に触れる。 インナー越しに柔らかく吸い付かれた瞬間、俺はもう声を殺せなかった。 「んあぁっ……だめ、吸っちゃ……!」 ──チュッ、チュプ……ヂュルッ…… 優成の分厚い舌が、下から上に突起を舐めあげる。 そして、インナーごと吸い付いて、舌先で先端を押しつぶされた。 右のインナーはもはや涎でグショグショに濡れていた。 その部分だけ透けて、ぷっくりと乳首の形を浮き上がらせていた。 右胸を舌で吸われながら、左胸は指で転がされる。 同時に責められた瞬間、背中が勝手に弓なりになった。 「んぐっ……っ……」 息を殺そうとしても、喉の奥から甘い声が漏れ続ける。 「……感じる?」 優成の低い囁きが、耳の奥まで溶け込んでいく。 優成は指先を強めにひねりながら、舌で乳首をねぶる。 こ、こんなに乳首ばっかり攻められて……。 俺、今まで感じたことないくらい興奮しちゃってる……。 「ひあぁっ……!モロ感乳首になっちゃうよおおぉ!!!」 腰が勝手に浮いて、俺は涙目で優成にしがみついていた。 「なっちゃえよ、モロ感乳首」 優成の唇は俺の乳首から離れていき、今度は親指と人差し指で強めに引っ張られた。 「ああっ、痛いっ……」 俺は涙目になりながらも、体を揺らしてしまっていた。 すると、優成が俺の乳首をイジメながら、ゆっくりと口を開いた。 「俺さ、高校のときに世利の乳首見てから、お前のこと意識するようになったんだ」 ──は?! 突然、優成の口からトンデモ発言が飛び出した。

ともだちにシェアしよう!