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第1話-2

夕方。TK大学の学生会館の外。 矢萩、松瀬と歩いて建物の近くまで来る。 入り口に国武、立っている。矢萩と国武、目が合う。 矢萩「あれ、何でそこにいるの」 国武「待ってた」 矢萩「え」 国武「部室の鍵がまだ空いてなくて」 矢萩「ああ。先輩たち、まだ来てない?」 国武「ああ」 松瀬「俺たちで鍵もらい行く?」 矢萩「そだな」 魚見、やってくる。 魚見「あれ、お前たち、まだ入ってなかった? 鍵は?」 矢萩「今からもらいに行こうかなって」 魚見「えー、もう空いてるはずだけど」 矢萩・松瀬「え?」 部室前。 国武「あ」 魚見、引き戸を開ける。 魚見「ほら」 矢萩「え」 矢萩と松瀬、国武を見る。 国武「ごめん、部屋を、間違えた……」 気まずそうにする。 矢萩「……」 矢萩M「なんだ、このホニャッとした感じ」 松瀬「やっ、ほら、ここ似たような部屋ばっかだから、気にすんな」 矢萩「……そうそうっ」 魚見「方向音痴かっ」 矢萩「ほら、入ろ」 国武の肩をポンポンして、中に誘導する。 矢萩「お疲れ様ーっす」 魚見「はいはい、今日は8月のペルセウス観察の詳細と、11月の学祭の件、話すよー」 女性の先輩1「にーなくん、こっち空いてるー」 女子たち、手招きする。 国武、手前の方に座る。 矢萩、女子たちにゴメンの手振りをして、手前の国武の隣に座る。松瀬もその後ろに座る。 ちらっと国武を見る。 リュックから水筒を取り出して、飲み始める。 矢萩「え、水筒?」 国武「なに?」 矢萩「いや、足りんくない?」 国武「1回帰って注いできたから」 矢萩「お前んち、こっちに近いの?」 国武「こことウチの大学の間」 矢萩「へえ、便利な位置」 矢萩、国武がまたごくごく飲む横顔を見る。 矢萩「なあ、今度――」 魚見「あらかた揃った? じゃあ始めようかな。これ、配って」 プリントが配布される。 魚見「えと、まず8月にペルセウス観にキャンプに行きまーす。キャンプ場、山の方だから……」 ある程度説明が終わる。 国武「で?」 矢萩「え」 国武「なんか言いかけてただろ」 矢萩「あ、うん」 松瀬「矢萩、ごめん、俺先に帰る」 後ろから松瀬、話しかける。 矢萩「あ、そうなの?」 松瀬「今から屋上で空見るだろ。バイトのシフト急に変わってって言われて。じゃあな」 松瀬、国武にも手を挙げて、出て行く。 矢萩「あ、ごめん、あのさ」 女性の先輩2「にーなくん、8月行くー?」 今度は女性の先輩2に話しかけられる。 矢萩「あ、いや、お盆に帰ってこいって親に言われてるし、まだ予定決めれてなくて」 女性の先輩2「行こうよ」 矢萩「じゃあ、検討させていただくということで」 女性の先輩2「えー? 君が来たら、女子の参加者増えるから」 矢萩「ん〜……じゃあ、先輩が半年分のビールをくれたらー、考えますよ」 矢萩、冗談を言いながら、ちらっと国武を見る。 国武「?」 女性の先輩2「なにそれー、せめて1ヶ月分にしてよ。あ、ねえ。矢萩くんと仲良いよね」 国武に話しかける。 女性の先輩2「君も来てね」 国武「いや、まだ」 女性の先輩2「前向きにねー」 と去っていく。 国武「……」 矢萩「なんか、巻き添い、ごめん」 国武「自分の都合で決めていいんじゃないか」 矢萩「うん」 国武「……屋上行く準備」 国武、立ち上がり、ささっと望遠鏡を取り出して抱える。 矢萩「え、まだ時間あるし」 国武「先に屋上の入り口に置いとく。ほら」 矢萩「ああ」 国武について行き、部室を出る。 国武「で、なに」 歩きながら聞く。 矢萩「ああ、うん。……また一緒にご飯行かない?」 国武「いいよ」 矢萩「夏休み、バイトする?」 国武「1週間くらい入れるかも」 矢萩「じゃあその前にでも」 国武「LINEで後で日にち決めるか」 矢萩「ねえ、ついでにお前んちにも遊びに行かしてよ」 国武「え……いい、けど」 矢萩「そしたら、講義終わってからでも夕方から晩飯に行けるし」 国武「……」 階段を上がって、屋上入り口に望遠鏡を置く。 矢萩「あっちー。早く戻ろ」 国武「日没まで時間あるから、今からでも近場で夕飯いいけど」 矢萩「あ、いいねー」 ご飯屋。 定食を食べる2人。 矢萩「国武、方向音痴なの?」 国武「いや、今日はたまたま……反対の廊下に行ってた」 矢萩「かあいいなあ」 国武「……かわいい、は違うんじゃ」 矢萩「あ……ごめん」 矢萩M「つい、出た……」 矢萩「そういえば、NASAの探査機、もうすぐ冥王星に最接近するって」 国武「来月だったな」 矢萩「すげーよな。さすがアメリカ。規模が違う。そのまま太陽系飛び越えるんだろ」 国武「そのうち、人乗せてしまうかもしれないな」 矢萩「なんか、地上と規模感違いすぎて、まだ想像の世界みたいな感じ」 国武「隕石と戦えるようになるかも」 矢萩「なにそれ、軌道ずらすやつのこと?」 宇宙の話で盛り上がる。 矢萩「俺さ、死ぬまでに行きたいところがあって」 国武「どこ?」 矢萩「オーロラを見たい。授業ではさ、太陽だの磁場だの仕組みとか習うけど、理屈じゃなくてホンモノを見て感動したくて」 国武「そうか」 矢萩「国武は?」 国武「……ニュージーランドかな。星が沢山観れるから」 矢萩「いいねー。南半球の星も観てみたいなあ」 矢萩N「友達を気取った、皮貼り付いた外面の付き合い。俺に張り付いている金魚掬いみたいなうっすい皮。さっさとセクシャルな関係を求めたら、こいつとはあっさり友達以上になれるかもしれない。気が合う同士、同性が恋愛対象の同士。性の秘密の共有同士。障害はさほどない」 矢萩「あれ、お前、このタレ使ってないの」 国武「え? あー、あったんだ」 矢萩「ウソだろ、タレなしでよく食べれたな」 矢萩、くくくと笑う。 矢萩N「でも……。できない、動けない。心が、国武のそばにいるだけで、一挙一動に小さく飛び跳ねまくる。自分のこの気持ちを簡単に扱ってはいけない。何となく……生涯、この恋以上の恋はできない気がした。だから、簡単に関係を持ちたくないし、壊したくない。大切な存在」 水を飲む国武。 矢萩「お前、手、おっきいな」 国武「そうか?」 矢萩M「その手に触りたいし触られたい、とは口が裂けても言えない……」   夜の屋上。 サークル仲間と天体観測をする2人。 男性の先輩1「なあ、あの2人の組合せ、最近多いな」 男性の先輩3「あの子大人しい感じで、雰囲気違う2人なのに。なんか矢萩くんには珍しいよね」 矢萩N「だって、やっぱり奇跡。俺は、国武が好きだ」 部室。 プラネタリウムの機械作製を練っている。魚見、PCで計算を入れている。 矢萩「ざーす」 矢萩と国武、部室に入ってくる。 魚見「あ、お疲れさん。あ、国武! ちょい」 国武「はい」 魚見「ね、ここ、これでいけると思う? 限界、もうちょい粘った方がいいかな」 国武「んー、あともう少しいけそうな気がします」 矢萩N「最初の無愛想で人見知りの雰囲気から次第に軟化し、国武は少しずつ先輩に声をかけられるようになり、しかも意見や天体話まで普通に交わすようになり、サークルに馴染んだ。まあT大理Iは貴重なブレインっていうのもあるが」 矢萩、座ってお菓子を食べている。 女性の先輩2「矢萩くん、今日夜なんかある?」 矢萩「いえ。なんですか?」 女性の先輩2「今日メンツ少ないし、今からこのメンツで居酒屋行かない?」 矢萩「いいですよ。あ、でも、あいつまだ20歳なってないんで呑ませないで下さいね」 夜。居酒屋に向かう道。 矢萩「お前、すっかり馴染んだよな」 国武「まあ」 矢萩「先輩たちにも頼りにされて。最初はすぐ辞めるかもって思ってた」 国武「矢萩がいるから」 矢萩「え」 国武「……お前がいるから、先輩たちも俺に声かけやすいんだと思う」 矢萩「あ、そういう……。そういえばさ、あれから傷は癒えたの?」 国武「……」 矢萩「あー……無神経だったらごめん……」 矢萩、顔を向ける。国武、見つめている。 国武「……おかげさまで」 矢萩「……え」 国武「さっきと同じ。お前がサークルで構ってくれるから」 矢萩「……俺?」 国武「そっちでも感謝、してる」 その時、携帯を持ちながら走ってくる自転車が矢萩の近くに向かって来る。 国武「危ない」 国武、矢萩の腕を強く引っ張る。 2人が接近する。 矢萩「っ!」 近いのに驚いて、バッと離れる。 国武「矢萩?」 矢萩「……さっきの、どう……」 言葉が止まる。 矢萩「いや、うん、なんでもない……」 国武「矢萩」 矢萩「サンキュ。行こう。先輩たち、呼んでる」 矢萩、先に足早に歩き始める。 国武「……」 居酒屋にて。2人に、魚見と乙金、女性の先輩2で席にいる。 魚見、落ち込んで酒を煽っている。 魚見「うー、俺ってーなんでー」 女性の先輩2「ごめんね、2人……。実はフラれた男を慰める会でーす……」 矢萩「……そうすか」 矢萩はビール、国武は烏龍茶を飲んでいる。 乙金「こいつ、好きな子いたんだけど、他の奴と付き合い出したみたいで。なーんもできずに終わっちゃったみたい」 魚見「いくじなしとゆーのはあ、俺をー、指すんですよー」 矢萩「さっきまで普通にPC触ってたのに、この変わりようは……」 女性の先輩2「でも、天文の、ていうか、理系男子ってホント女子に免疫ないよねー。見てただけじゃ伝わんないでしょ」 乙金「まあ、それは否定できない」 魚見「なあにしたらいいんだよ〜。話しかけるくらいしか、できないー」 女性の先輩2「えー、だから、ちょっとあざとくさー、優しさ見せるとかふいに触るとかさー」 乙金「それ、後者は難易度高くないか」 女性の先輩2「えー、そう? ねえ、矢萩くん、同じ男の立場から、なんかアドバイス言ってあげて」 矢萩「えー、俺ですか?」 女性の先輩2「彼女いたよね? どうしたら付き合えたの?」 矢萩「……えー……いや、別になんもしてないですよー」 魚見「やはぎはあ、しなくてもーあっちから来るんだろー。聞くなよー」 女性の先輩2「えー、なんかのきっかけあるから、女の子も好きになるんでしょ。矢萩くんに倣いなよー」 乙金「矢萩、どんくらい付き合ってるの?」 矢萩「え……、……実はもう別れちゃいました」 先輩たち「えっ!」 国武「……」 女性の先輩2「そうなの? じゃ、今フリーなの?」 矢萩「あ、まあ」 矢萩M「いやな流れになってきた……」 隣の国武を気にする。 女性の先輩2「それ、他の女子部員には黙っといてよ。でさ、矢萩くん」 矢萩「はい?」 女性の先輩2「今度合コンあるんだけど、来て」 矢萩「えー?」 女性の先輩2「友達が企画してるの。彼氏欲しいらしくて。私も強制参加。来てくれない?」 乙金「出た、合コン」 女性の先輩2、ちらっと国武も見る。 女性の先輩2「国武くんも」 国武「え」 矢萩「えっ」 魚見「俺はあ?」 女性の先輩2「あんたはちと無理。私立の意識高い系女子だから」 矢萩「なんで国武まで?」 女性の先輩2「え、ちょうど2人まとめているから。それに友達いたらちょっとは気が楽でしょ」 矢萩「や、俺、無理です。今、女の子は」 女性の先輩2「へ」 国武、矢萩を見ている。 矢萩「そんな気になれなくって」 女性の先輩2「えー、人数合わせと思って、適当でもいいんだからさ」 矢萩「あ、いやあ……」 躊躇う態度が珍しいかのように、先輩たち、矢萩を見ている。 矢萩「あの、まだ、別れた傷が癒えてないんでー」 女性の先輩2「ええー、そうなんだあ。そっか」 矢萩「今はいいかなあ、と」 女性の先輩2「あー、ごめんねー。いやーしょうがない」 矢萩「だから、国武もパスです」 国武「っ」 女性の先輩2「えっ、なんで?」 矢萩「だって、2人まとめてでしょ」 女性の先輩2「あ、言葉尻取ってる! 国武くんだけでもいいんだけど!」 国武「すみません、俺も行けないです」 女性の先輩2「えー、なんで!」 国武「俺も別れたばかりなんで」 先輩たち「えっ!」 先輩たち、一瞬沈黙する。 魚見「国武もー、いっちょまえにー、いたんかいっ!」 矢萩「……」 乙金「まじか」 女性の先輩2「え、ねえ、いつ知り合った子? 長かったの?」 魚見「てーゆうかあー、お前ら、ヤったのかよ」 矢萩「え」 魚見、ピースの指で矢萩と国武を指差す。 国武「っ」 女性の先輩2「は?」 魚見以外、固まる。 魚見「彼女いたってーことはあ、どっちもーもうヤってるってことだろー? えっちしてんだろー」 皆、力が抜ける。 矢萩、軽く息を吐く。 女性の先輩2「ちょっとー、ややこしいっ」 乙金「そっちかい!」 魚見「ふあああっ」 魚見、テーブルに頭を伏せる。 女性の先輩2「ねえ、ちょっとガツガツ飲み過ぎだって」 矢萩「……」 矢萩M「そっか、国武もゲイバーとか行くし、恋人いたんだから、ヤルことヤってんだよなあ……」 サラダを食べる国武の横顔を見る。 矢萩M「……なんか、ソワソワする」 国武、小さくため息を吐いてから、自分を見ている矢萩に気づく。 矢萩「……すみません、俺と国武、YouTubeライブをこれから観るんで、先に失礼します」 国武「……っ」 テーブルの下で、矢萩、国武のシャツの腰部分をつんと引っ張る。 女性の先輩2「あ、そうなの? ごめーん、無理に付き合ってもらってー」 矢萩「忘れてたんで。こっちこそ、途中で抜けてすみません」 矢萩、立ち上がり、国武もつられて立ち上がる。 矢萩「ご馳走様です」 国武「あ、ご馳走様です」 居酒屋の外に出る。 矢萩「はあ、抜け出せたあ」 矢萩、ため息を吐く。 矢萩「行こ」 国武「ああ」 歩き出す。 矢萩「国武も、微妙だったろ。合コンとか女子とか」 国武「……まあ」 矢萩「ああいうの、今度誘われたら、俺だけ行くわ。気まずいだろうし」 国武「……」 矢萩「ごめん、悪い人たちじゃないから。あれはともかく、まあ……知らない訳だし。普通に良い人達なのは間違いないから」 国武「別にそこまでは」 矢萩「いや、俺はまだいいけどさ、分かるからさ」 国武「うん。助かった」 矢萩「助かった、って、別に助けてないよ。なんで礼言うの」 国武「お前、嘘ついて、言いくるめたから」 矢萩「お前も嘘言ってたじゃん?」 国武「……ああ」 2人とも笑みが出る。 矢萩「俺ね、実はあんま合コン好きじゃないの。男子にも女子にも気い遣うから。気遣うだけで終わるから。なら、国武と一緒にいた方がいい」 国武「……それは同性だから?」 矢萩「え?」 国武「それとも、俺だから?」 矢萩「……え」 急に真面目に聞かれて戸惑う。 矢萩「え、どっちも……。え……意味が……」 国武「俺は矢萩だから、一緒にいたい」 国武、矢萩を見据える。 矢萩「っ! ちょ、ちょっと待って……。見えない」 国武「なにが」 矢萩「お前こそ、どういう意味……」 国武「俺は、ゲイだのバイだのの括りだとか単なる友人で矢萩といる訳じゃない」 矢萩「……えと。ごめん、俺、現国苦手だったから……」 国武「矢萩、お前は?」 矢萩「や、えと。……国武を、気に入ってるから……」 国武「気に入ってる?」 矢萩M「なんだ? 訳わかんなくなってきた。どう答えるのが正解なんだ?」 国武、矢萩を見つめる。2人見つめ合う。 矢萩「……」 国武「……」 矢萩M「キスしたい」 矢萩の呼吸、少し乱れる。 矢萩M「触りたい」 国武の手首に指を触れようとする。 国武「……」 【リフレイン】 女性の先輩2「えー、だから、ちょっとあざとくさー、優しさ見せるとかふいに触るとかさー」 【リフレイン終わり】 国武「矢萩」 ハッとして、パッと手を下ろす。 矢萩「えと、気に入ってるは、気に入ってるってことで……。別に同性だから誰でもって訳じゃないし、今はお気に入りの友人? ……てとこ?」 国武「……」 矢萩「そう、大切な……。大切だよ、国武は」 国武「大切……」 矢萩「あ、俺、なんか酔ってきたー? 帰ろ?」 国武「ああ……」 矢萩、歩き始める。 国武をちらりと見る。 国武、見返す。 矢萩、顔を熱くさせる。 矢萩M「外気温のせいだけじゃない。国武と目が合うと熱い。期待してしまう。どうにかなってしまいそうになる。俺のヒラヒラな皮が剥がれそうになる」 【夢の中】 赤い火星。火星の表面。 宇宙服を着た矢萩、有人探査機から火星の表面に降り立つ。 地面のクレーターを覗く。 クレーターの一部を掘り、取り出したものを保存ケースに入れていく。 ふと遠くを見ると、探査機のオポチュニティが動かないまま佇んでいるのが見える。 矢萩「!」 矢萩、オポチュニティの方に駆け寄ろうとする。 その時、砂嵐が舞い始める。 矢萩「うわっ!」 矢萩、思わず目を閉じる。 開けると、矢萩と国武が星空の下にいるシーンが出てくる。 砂がまた舞う。 また目を開けると、2人が夕焼けの街を歩いているシーン。 砂が舞い霞んで。 次は、矢萩がJAXAのユニフォームを着て作業しているシーン。 砂が舞い、次は国武がJAXAのユニフォームを着ている。 砂がまた違うシーンを連れてくる。 矢萩が国武を突き放しているシーン。 2人が星空の下でキスしようとするシーン。 【夢の中から現実へ】 2024年秋。地方のプラネタリウムの出口。 スーツ姿の矢萩とプラネタリウムのユニフォームを着た国武が対峙している。 矢萩「なんで……お前……ここにいんの」 矢萩、国武の全身を見る。 矢萩「お前、JAXAに行ったんじゃ……」 国武「……」 国武、矢萩を無視してスタッフ口に行こうとする。 矢萩「え、おい、……『国武』!」 国武、足を止めて振り返る。 国武「……」 矢萩、近づく。 国武「なに、『矢萩』」 国武、冷たい視線を矢萩に向ける。   矢萩M「そう、2人のあの時を、奇跡の恋を、俺から終わらせてしまった」 <第1話終わり> 【参考】 アルバート・アインシュタイン「自然が見せてくれている姿は、ライオンのしっぽほどでしかない。しかし、私はライオン自身が自然の一部であり、彼自身巨大なその体全体を見渡すことができないと知っている」

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