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第17話 誰がそんなところを舐められる日がくると思うか(side保)【*】

シャワールームで修平に堂々と痴漢されつつ、俺は身体をさっぱりさせて部屋に戻った。 「保先輩、タオルです」 「……さんきゅ」 修平のせいで服が汚れ、シャワーを浴びる羽目になった気がしないでもないけど、俺は礼儀としてお礼を言う。 時計を見れば、十六時半。十七時半にここを出ればバイトには間に合うので、ひとまず胸を撫で下ろした。 「保先輩、これ着といて下さい。パンツはボクサーでも良いですか?まだ使ってないの下ろすんで」 「うん」 俺は修平に服を借りた。 あまりのトレーナーのデカさ……ブカブカ感に、驚く。 「修平って、デカいデカいとは思ってたけど、こうして着て比べると半端ないな」 「……本当ですね。俺のトレーナーに着せられてる保先輩、半端ないです」 「あぁ?」 極力凄んでみたのに、修平はニッコニコして裸にトレーナーだけ羽織った心許ない格好の俺をベッドに押し倒した。 「ちょ、俺まだパンツ履いてないんだけど!」 「知ってますよ、まだ貸してませんし。ところで保先輩、まだ時間ありますよね?」 「うん。一時間位な」 もしかして、一局打ちたいのか? 俺はそう思って、馬鹿正直に頷いた。 「じゃあ、ギリギリまで開発しましょう」 ハアアアアッ!? 俺はぎょっとする。 え!? 何!?  こう、シャワーとかって、エロいことの後始末的な締めくくりじゃないのか!? 心の声がダダ漏れだったらしく、修平は「シャワーはむしろ、始まりですね」と言った。 シャワーは始まり……あ、確かに。 俺が成る程と納得していると、修平は俺の上にのし掛かってきた。 「え、ちょ、俺何で寝技仕掛けられてんのっ!?」 ヒョロい俺が修平の身体の下から逃れられる訳もなく、半泣きだ。 「ああ、上四方固めに確かに似てますね」 修平はパンツ履いているから良いが、俺はノーパンだ。 しかも修平は、せっかく洗ってさらりとした俺の下半身に顔を寄せ、俺の尻たぶをガシッとその両手で掴んだ。 「修平、待っ……」 「もうぴったり閉じてますね」 「ひっ……!! な、何して……っっ!!」 最悪だ。 修平は俺の尻を左右に開くと、あろうかその中心のすぼまりに舌を這わせたのである。 「や、やめろって!! 汚いからっ……!!」 「さっき、しっかり指まで突っ込んで、石鹸で綺麗にしたじゃないですか」 確かに……!! しかし、俺のテンパり具合に対して、修平の落ち着きよう。 そして、まるで用意されていたかのような回答。 いや、こんな事を言っては何だが、元々舐めるつもりで洗ったんじゃないよな!? と疑いたくもなる。 ……そんな訳ないか。 誰が好き好んで、男の尻穴を舐める奴がいるんだって話だ。 そんな事をつらつら考えている間にも、修平の舌先がにゅる♡ と入口から入り込んできて、俺は大いに焦った。 「やりすぎだって……!!」 「拡張しないで突っ込むアナニーは痛いらしいですから」 「あ、ん……っっ♡♡」 俺が大いに焦った理由は、ふたつあった。 ひとつは、後輩にそんなバッチイところ舐めさせるつもりは毛頭ないこと。 そして、もうひとつは……。 「や、駄目、だって……♡♡」 正直言って、修平にそこを舐められるのが、気持ち良かったことだ。

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