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第49話 今度は修平が我が家にお泊り(side保)

「ふあー食った! 美味しかった!」 俺は、伸びをしながら最寄り駅の改札を修平と抜ける。 「そうですね、保先輩が気に入ったなら良かったです」 「それにしても、修平は毎回凄い量食うよな」 「そうですかね? 柔道部の仲間は皆同じ感じなので、むしろ保先輩が少食に見えます」 「それは絶対にない。修平達の基準がおかしいだけだから!」 二人で美味しいもの食べて、笑って馬鹿言って。 そんな些細なことが、凄く幸せだと思う。 「俺、確かに金はないけど、さっきの修平に奢らせるつもりなんて、なかったんだけど……」 けど、それがどうしても気になり、ポツリと呟いた。 「保先輩? それもう三回目です」 修平は笑って続ける。 「泊めて頂く御礼です。昨日のコンビニはこっちが奢って貰いましたし」 「いや、どう考えてもそっちのが多い……」 「うーん、どうしても気になるなら……身体で払って下さい」 「いや、御馳走様でした!」 真っ赤になってずんずん先に進めば、コンパスの長い修平はあはは、と笑いながら余裕で着いて来る。 「次に言ったら、ペナルティで……」 修平は、俺の耳に口を近付けた。 「その場で犯しますよ」 「~~っっ!?!?」 ペロリと耳たぶを舐められ、俺は耳を押さえてバッと距離を取り、キョロキョロと周りを見渡した。 幸い、誰もいなくてホッとする。 修平のことだから多分、きちんとその辺も確認したんだとわかってはいる。 わかってはいるんだけど、俺は心配になって注意した。 「外でこういうことすんなよ。修平が変な目で見られるんだぞ?」 ジロ、と上目遣いで睨んだのだが、修平はキョトンとした後、「……すみません」と口では謝りながら、ニコニコ笑った。 ……駄目だ、多分全然反省してない! 「次やったらペナルティで、うちに出禁だ」 「もうやりません」 スン、となり真剣に謝る修平と目を見合わせて。 二人で爆笑しながら、残り少ない道を並んで歩いた。 「お邪魔します」 そう言われるのに何かこそばゆさを感じながら、ウンと頷き、二人で洗面所に移動する。 「修平、歯磨きする?」 「はい。寝る前にも借りますが、一旦磨きます」 「そか。んじゃ俺もそうしよ」 二人で交互に狭い洗面所を使って歯を磨けば、時刻はもう二十三時だった。 「結構時間経ったな。修平、お風呂先に使う?」 「や、俺は先輩さえ気にしなければ入らないで大丈夫です」 「そう?」 気を遣わせているなら悪いな、と思いながら、ひとまず俺は風呂に入り、バイトでそれなりにかいた汗を流した。 「はー、今日も疲れたぁ」 タオルでゴシゴシ頭を拭きながら部屋に戻ると、修平はパジャマ代わりのスウェットに着替えている。 そしていつもと変わらない優しい笑顔で言った。 「お疲れ様でした、保先輩。さ、お尻見せて下さい」 ……はい?

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