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第50話 治療行為に感じて(side保)【*】

「修平、今日は昨日みたいなことしないって……」 「少しは良くなるかと思って、軟膏買っておいたんです」 修平は手にしたチューブ式の薬を俺に見せながら続けた。 ……あ、軟膏。 薬。 薬、かあああ!! 勝手に勘違いをしてしまい、俺の顔に熱が集まった。 ホッとしたような、ガッカリしたような気持ちが胸に広がる。 「わざわざ買ってくれてたんだ、ありがとう」 俺は慌てて笑顔を作り、修平から薬を受け取ろうとしたのだが。 「先輩じゃ、自分のお尻は見えないでしょう? 鏡を使うより、俺の方が確実ですよ?」 真面目な顔で言われ、それもそうだなと納得した。 俺の部屋は和室しかなく、姿見にお尻を向けて薬を塗る姿を修平に見せることになる。 それはかなり恥ずかしい、と思った俺は、「そうだな、ありがとう」と言い、「じゃあ……塗って貰って良い?」と、パジャマを膝まで下げた。 「先輩、パンツも下ろして後ろ向いて、四つ這いになって下さい」 「……う、うん」 これは、治療行為、治療行為!! そう思い込まないと、どうしても昨日のセックスを思い出してしまう。 パンツも膝まで下げ、修平に背中を向けて、床に両手を着いた。 「もっとお尻突き出して下さい」 「うん……」 めちゃくちゃ恥ずかしい。 緊張で、お尻の筋肉が勝手にピクピクする。 修平の冷たい手が、風呂上がりの俺の尻たぶにそっと添えられた。 「……っ」 両手で、肛門のすぼまりをそっと左右に引っ張られる。 広げたアナルを修平がじっと観察しているのがわかり、俺の鼓動は速くなる。 今度はその中心がヒクヒク♡と、動いたのが、自分でもわかった。 「……やっぱり、少し赤くなって腫れが見られますね。無理させて、すみませんでした」 修平の吐息が、俺の尻穴にふわりと掛かる。 凄く近い距離で視姦されていたことを理解した俺は、けれども何も出来ずに両手をぎゅ、と握り締める。 ペニスが反応し始めたことを感じて、焦った。 「では、患部に塗りますね。少し冷たいかもしれません」 「ん」 このままでは、お尻を見られただけで俺が元気になったことがバレてしまう。 早く、早く薬を塗って貰ってパンツとパジャマを持ち上げないと……!! 焦る俺の気持ちとは対照的に、修平の動きはまるで焦らすかのようにゆっくりとしていた。 「あっ……」 ピト、と冷たい軟膏が蕾をくるりくるりとなぞるように塗り付けられた。 指が離れたのでホッとした瞬間、「ナカがまだですよ」という言葉とともに、軟膏を纏わせた修平の指がつぷ♡と挿し込まれる。 「ぁんっ……♡」 油断していた自分から変な声が出て、思わず口を両手で押さえる。 俺のバカ、バカ、バカ……!! こんなことで感じてしまう自分に嫌気がさしているのに、修平の指が肉壁をなぞる度に、もっと奥の方を突いて欲しくて、腰が揺れそうになる。 俺が涙目になっていると、修平が俺の尻を穿りながら、世間話をするかのように声を掛けてきた。 「先輩、さっきの話の続きですが……」 さっき? どのさっき?? 「もしかして、期待、してました?」 「~~っ、はぁんッ♡♡ あっ♡ あ”ッ♡」 修平は俺のペニスを後ろから掴み、じゅこッ♡ じゅこッ♡ と、徐ろに扱き出した。

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