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第52話 免罪符を下さい(side修平)【*】

「ホントにやめて、良いんですか?」 俺は意地悪く、扱いていた手を止めた。 「俺も、保先輩の嫌がることをしたい訳ではないので」 「あ……」 俺は、目の前で揺れ動く綺麗な瞳をじっと見た。 早く。 早く、俺に免罪符を下さい。 俺の行為に許可を下さい。 同意の上で、貴方を喘がせているのだと、わかって欲しい。 過去に先輩を脅して関係を迫った女とは違うのだと、教えて欲しい。 「……やめ、て、」 保先輩が、聞き逃してしまいそうな程に小さな声でそう呟くのが耳に入り、俺は少し落胆した。 聞かなかったことにしてしまいたい。 いや、駄目だろ。 俺は渋々、手を離そうとしたのだが。 「欲しく、ない……」 ……!! 「続けて……」 俺を真っ直ぐ見て言うことは出来ないのか、保先輩は両手で顔を覆いながら、けれども確かにそう言った。 「……はい。では、保先輩のちんぽ、これから沢山ヨシヨシして気持ち良くなって貰いましょうね」 俺は言うなり、保先輩のパンパンに膨張したペニスを掌全体で扱きながら、玉もやわやわと揉み出した。 じゅぷっ♡ じゅぷっ♡ ぐちょっ♡ ぐちゅん♡♡ 「~~はッ♡ ぁあっ♡♡」 「あー、保先輩の喘ぎ声、めちゃくちゃ俺のイチモツに響きます。良いですね、もっと感じて下さい」 お風呂に入ったばかりの保先輩の石鹸の香りを嗅ぎながら、俺は乳首や鎖骨、首に舌を這わす。 「……保先輩、自分から腰ヘコしてるの気付いてます?」 「だっ……て! 気持ち良過ぎるからぁっ♡♡」 保先輩の腰が淫らに動きはじめ、じゅこじゅこと水音をさせながら、俺の手に自ら擦り付ける。 気持ち良いことに弱弱な保先輩、その必死な様子が堪らなく愛しくて可愛い。 「修平っ♡ ヤバイ♡♡ も、イきそ……ッ!!」 しかしその瞬間、俺はわざと手を離した。 「イくっ……!! ふ、ぁ……修平?」 保先輩はそろり、と顔を覆っていた手を外し、上気した顔で俺を見る。 はぁ♡ はぁ♡ と乱れた呼吸を整えながら、悩まし気な艶めかしい顔に、困惑の表情を浮かべていた。 今度は潤んだ瞳がこちらを咎めるように見ている。 「まだイかないで下さい、保先輩」 「な、んで? 今、止められると、辛……」 「畳を汚しても大丈夫なんですか?」 「あ……」 先輩は、横を見た。 畳に染み込んでしまうと、後始末は確かに大変そうだと考えているのだろう。 「ところで保先輩、この匂いって、なんだと思います?」 俺の唐突な質問に訝しげな表情を浮かべながらも、俺が目の前に差し出した手をクンクン、と嗅いでみる先輩。 素直なところも大好きだ。 「……チョコレート?」 「正解です。これは、食べられるローションなんですよ。つまり何が言いたい……したいかと申しますと」 俺はニッコリ笑うと徐ろに口を大きく開ける。 「え? ちょ、待っ……っっ!!」 慌てて止めようとする先輩の目を見ながら、ぱくりとその屹立を咥えた。

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