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第62話 自覚なしの感情(side修平)【***】
「保先輩、どれ使います?」
初アナニーの際に使用したディルドと、拡張に使用したガラス製のディルドを手にして保先輩の前に翳せば、保先輩の視線はつつ、と移動して俺の元気いっぱいな息子で停止した。
「……修平が、いい。その、苦しそうだし!!」
俺のペニスをご指名頂いた後、慌てて理由を追加する保先輩。
どう聞いても、ついポロリと本音を漏らしてしまって、その本音を隠そうと言い訳を口にしたようにしか思えない。
……コノヒト、既に俺のこと好きだと思うんだけど。
俺は保先輩を知っている。
人見知りはしないのに、自分の懐に入れるまでが長く、面倒見も良いのに、積極的には人と関わることはしない。
保先輩の好奇心から始まった身体の関係だが、ではどれだけの人間が、アナニーなんていうとんでもない提案をコノヒトにして、話を最後まで聞いて貰えたのだろう。
他人の趣味志向を頭ごなしに否定する人ではないから、ケツマンが好きだという話までは良くても、その先まで許されたのは、俺だったから、という事実に一体いつ気付いて貰えるのだろう。
……まぁ、いいか。
今は保先輩の身体を貪る方が先だ。
俺は、酒も入っていないのに俺を欲しがる淫乱な保先輩に完全にヤられていた。
「俺のが良いんですか? 一番太いと思いますけど」
俺は、自分の棒をスウェットからボロンと取り出し、シーツに溢れないように掌の上でローションを塗りたくった。
イラついたちんぽを早く埋めたくて堪らない。
ローションで滑りを良くして少し扱けば、血管がビキビキとミミズのように浮き出た。
「う、ん。修平が……いい」
保先輩は観念したように頷いた。
先輩は、何とも思ってない男の後輩にセックスをおねだりする人なんですか? と。
聞いて少しは自分の気持ちを自覚して貰っても良かったが、それで自分がお預けを食らうのはキツかったので、素直に据え膳を頂くことにした。
「じゃあ今日は後ろからじゃなくて、先程のお尻丸見えの恥ずかしいポーズでずっぽり奥までハメちゃいましょうか」
「ぁっ」
言いながら、保先輩の両膝裏をグイッと顔の辺りまで背中が浮くようにしっかり持ち上げ、お尻を天井に向ける。
「本当に欲しいなら、先程のように自分でお尻を開いて、おねだりして貰えますか?」
「うぅ……修平、なんか意地悪……」
口を尖らせながら、それでも一度離れた手を再び自分のお尻に添えた。
俺の目の前で、保先輩の意思で、その慎ましく閉じた蕾が開かれていく。
「……修平お願い、ちょ、頂戴」
「ええ。保先輩が望むなら、いくらでも」
保先輩の背中が落ちないように足で支えながら、ローションをたっぷり纏ったペニスをすぼまりに押し当てた。
「その代わり、見ていて下さい。俺のペニスを、保先輩のお尻が咥え込んでいくところを。保先輩が、誰とセックスしているのかを」
「……っ」
ずぷずぷ、ずぷぷ……♡♡
「ぁあ……ッ♡」
俺は、保先輩の表情が悦びに変化していくのを、この目に焼き付けた。
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