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第43話 ずっと一緒に ***【終】

俺と飾音がパートナーとなってから、更に半年が経過した。 「ぁん♡ ご主人様ぁ」 「触るなよ。見るだけだ」 飾音は手を伸ばす男の手を払い、威嚇する。 その男は血走った眼で、有名なハッテン場である公園の目立たないところにあるベンチで、俺と飾音の結合を見学していた。 首輪とリード、乳首には揺れるたびに鳴る鈴、いつでもハメられるはしたない紐のような下着と、プラプラと揺れる息子にはプジー。 変態そのものの強制的に格好をさせられ、そしてその姿を赤の他人に視姦される。 有料のハッテン場で見られることに慣れてきた俺が飾音にお願いして、こうして今日も倒錯的な調教をして貰っているのだ。 「き、気持ちよさそうですね。それに、凄く綺麗な縦割れアナルだ」 手を払われても気にせずその場に留まり続けている男は、今まで俺たちの行為を三度、間近で見ている。 しかし今日、とうとう見ているだけでは我慢ができなくなったのか、俺のペニスからはみ出していたプジーの輪っかを勝手に引き抜こうとしたのだ。 「俺のおちんぽでホジホジしてもらうために、頑張って綺麗にしてるんだもんね」 「はい♡ ご主人様専用の、オスマンコです♡」 「毛がないけど、全部剃ってるの?」 じゅぼじゅぼ♡ とペニスが出たり入ったりするのを鼻息荒く見つめながら、男が話し掛けてくる。 「はい♡ ご主人様が不安がるので、浮気防止で剃って頂いてます♡」 「こいつ、天然のタラシなんで。こんな立派な雌に仕上がってるのに、まだ女からデートに誘われるんですよ」 「そいつぁ駄目だね。こんなにいやらしくて可愛いペットなのに、雄か雌かもわからないなんて、誘う女のほうがどうかしてるよ」 「誘われちゃって、ごめんなさい……っ♡♡」 俺が得意先の女性から食事デートに誘われた時の飾音の嫉妬は、物凄かった。 散々苛めて貰ったことを思い出して興奮した俺のアナルが、きゅう♡ と飾音を締め付ける。 「全く、油断も隙もないんだから。お前は俺のペットなの、しっかり自覚しろよ」 「ひぃぃぃんッッ♡」 じゅぼぼぼぼ♡ と下品な音を立てながら、飾音の手でプジーを一気に引き抜かれる。 「あ、駄目、おしっこが、出ちゃいますうぅ……ッッ」 我慢していたおしっこがチョロチョロと漏れてしまい、俺は羞恥で顔を隠した。 しかし、ここにはそれで興奮する変態しかいない。 「漏れちゃったねぇ、可愛いねぇ。急に引き抜いても、痛くないのかい?」 「痛くても喜んじゃうマゾ犬なんで」 「はい……♡ ご主人様に引き抜かれるの、気持ちイイ、です……♡」 飾音はそう言うけど、実際に引き抜く時は角度に注意を払ってくれている。 だから、飾音が引き抜く分には痛くない。 一度自分でやってみたら、恐怖心もあったからかとんでもない目にあったので、それ以来飾音に任せている。 自分で引き抜く時は、物凄く時間をかけて、ゆっくりと引き抜くだけだ。 男はいそいそと自分のイチモツを取り出し、俺たちのセックスを見ながら自分で扱き出した。 「この前は顔射されてたよね、あれも興奮したなぁ。俺のもお願い出来ない?」 「駄目。そういうのを喜ぶペットもいるけど、こいつは俺専用なんで」 その会話で思い出した。 前回は、この公園で飾音にフェラし、そして顔にぶちまけられたのだ。 写メを取るなと言った俺のフェラ顔が他の男たちのオカズにされ、そいつらが俺たちの周りに精液を放った時には、快感と興奮が止まらなかった。 「心の狭いご主人様だなぁ。じゃあそのペット、飽きたら俺にも使わせてよ」 「一生飽きることないから、そこでこいつのアナルが俺のちんぽに一生懸命媚びてるの、見てろよ」 飾音が俺を開脚させたまま動かし、男はペニスが入ったり出たりの繰り返しを見ながらタイミングよく手コキを続ける。 「ご主人様ぁ♡ 激しくて、お尻が捲れちゃうよぉ……ッッ♡」 「出入りするたびペット君のおまんこが捲れるの、よく見えるよ。堪らないねぇ」 「しっかり吸い付いてきて、可愛い。俺のちんぽ、好きすぎだろ」 「好き♡ ご主人様、大好き……ッッ♡♡」 観客の存在を忘れ、俺は行為に夢中になる。 俺の身体で気持ち良くなって、飾音。 ずっと俺の、ご主人様でいて。 ずっと俺を飼い続けて。 「ああッ♡ ご主人様、凄いのくるッ♡ きちゃいます……ッッ♡♡」 「彬良のナカ、潤みきってる。いいよ、イって。俺のおちんぽで前立腺擦られて、気持ち良くイこうね」 「イクイクするの? 凄いねこのペット、こんな場所でドライでイくなんて、真正のドマゾだなぁ」 ドマゾと言われ、身体にぞくぞくとした痺れが走る。 俺の性癖を受け入れ、こんなことまでしてくれるのは、飾音しかいないのだ。 「ぁあああッッ♡♡」 「~~ッく、……」 飾音はそのまま抜かずに、俺のナカへたっぷりと自分の子種を注ぎ込む。 しばらく沈黙が流れた後、じっと見ているギャラリーの期待に応えてペニスを引き抜き、ヒクヒクと余韻に浸る俺のすぼまりからトロリ♡ と白濁した液体が流れていくところを晒した。 「うはーッ! むしゃぶりつきたいくらい、可愛くてエロい蕾だな。俺なら、舌でほじほじしてあげるよ?」 「えと、」 「彬良、立てる? 少し寒くなってきたから、今日はもう行こう」 「うん、ありがとう」 飾音は俺の身体を全て隠すような長いコートで覆い、男の目から遮るようにして俺をエスコートする。 行為の最中は見せつけるのに、行為後は隠すという矛盾が、少し笑えた。 駐車しておいた車に乗り込み、飾音に渡された温かい飲み物でホッと一息つく。 その間飾音は、用意しておいたタオルやウェットティッシュで俺の身体を清めてくれた。 飾音は相変わらず、Sなのに俺を甘やかす。 「彬良、この場所はそろそろ駄目だな。さっきみたいな弁えない男が、手を出してきかねないから」 「うん、わかった」 飾音は俺の額にちゅっとキスを落とすと、車を発車させた。 この半年で、変わったことと、変わらないことがある。 雅人はお姉さんと結婚して新居に引っ越ししたので、俺たち三人の飲み会は三ヶ月に一回へ減った。 でも変わらず連絡は取り合っているし、俺たちが付き合い始めても、雅人も何も変わらなかった。 雅人の会話の中で、ねーちゃんのネタが多いのも、相変わらずだ。 そして飾音は車を購入した。 元々車は欲しかった、と飾音は言っていたが、俺とのデートのためであることは明白で。 俺としてはそこまでしなくても、と思ったものの、カーセックスがしたいと言われて好奇心に勝てなかった。 ただ、車の中でなら人目を気にせず自由に手を繋いだりキスをしたり出来ることは、とても嬉しかった。 「あれ? 飾音、家に戻らないの?」 「少しだけドライブ、いい?」 「勿論、いいよ。嬉しい」 俺は寝ないように窓を開けて、夜風を招き入れる。 それなのに、行為後で疲れてしまったのか、気づけば車は停車していて、飾音に見つめられていた。 「ご、ごめん、寝ちゃった。起こしてくれて良かったのに」 「気持ちよさそうだったから。寝顔も俺のご褒美だし、気にしないで」 「うう……ありがとう」 きょろ、と辺りを見回しても、この場所が駐車場だというだけで、どこなのかよくわからない。 「彬良、少し降りてみる?」 「うん」 車から降りれば、一面の星空が迎えてくれた。 「うわあ、こんなに綺麗に星が見える場所なんて、あったんだ」 「彬良、こっち」 飾音のエスコートで少し進めば、どうやら見晴らしの良い公園の一角だったということに気づく。 「……凄いね」 「でしょ」 木でできた柵に手を置く。 眼下には海。 耳に聞こえるのは波の音。 そして海の更に向こうには街のイルミネーションが煌めき、視線を上げた先の星空と見事な光のコラボレーションを織りなしていた。 「綺麗。飾音、連れて来てくれて、ありがとう」 「うん。……それでさ、あの」 「ん?」 俺が首を傾げると、飾音は小さな箱を取り出した。 飾音と一緒にいると決めてから、俺が買うことはないと思っていた物。 飾音と一緒にいることが幸せすぎて、今のことしか見えていなかった俺とは違い、飾音が俺たち二人の将来のために、色々考えてくれていたことが、痛いほど伝わった。 飾音、こういうところだ。 飾音のこういうところが、俺を夢中にさせるんだよ。 飾音が俺を想っているのと同じくらい、俺も飾音を大切にしたいって思わせるんだ。 「一生大事にするから、俺と一緒に住んで欲しい」 箱から取り出した指輪を、震える手で俺の指に嵌める。 変わることと、変わらないこと。 変わる思いと、変わらない想い。 これは飾音が引き寄せた、奇跡だ。 ノンケの俺を、ここまで変化させた飾音の。 視界が滲んで、ぽろ、と涙が零れた。 「彬良……?」 「ありがとう、飾音。すっごく嬉しい。これからも、よろしくお願いします」 俺は飾音に抱き着き、飾音は俺を抱き止める。 「愛してるよ、彬良」 「俺も、愛してる」 飾音は俺の、親友で。恋人で。ご主人様で。 「責任を持って、一生、俺を飼ってね」 「勿論、喜んで」 俺が冗談交じりに笑って言えば、飾音も笑ってそう答えてくれたのだった。 ~fin~

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