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【最終回】 ハメダ珈琲のハメダモーニング♡ 後編〜えっちな店員さんと童貞卒業セックス♡告白を添えて〜
※作中の宗教観・設定は私個人のオリジナルです。
「ごめん……ナオくん……俺、ナオくんのこと、本気で好きになりました……」
「えっ」
ぽかんと目を見開くナオくん。
そりゃ驚くよな。サービス中にいきなり泣き出して告白とか、ホラーでしかない。
「すごくかわいくて……でもそれだけじゃなくて! 優しくて、俺、勝手に元気もらってて……いつの間にか、いや、最初からだったかも……」
「……」
黙ったままのナオくんに、俺はもう一方的に言葉を続けるしかない。
「ほんとごめん……! こんな厄介な客でごめん……! もう帰るし、二度と来ないから……ただ、どうしても伝えたくて……っ」
涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、謝る俺。
ああ、終わった。気持ち悪がられて、出禁決定だ。
帰ろう。
もうここにはいられない。しょんぼりしてしまったモノをナオくんの中からそっと抜こうとした、その時――
「っ……抜いちゃダメ!!」
「うおっ!?」
ナオくんのしなやかな足が、腰にがっつり絡みついてくる。
「っちょ、ナオくん……これ、抜けない……」
「抜かなくていいの!!」
むぅっと唇を尖らせたナオくんが、ふくれっ面で叫んだ。
「直さんがもうお店に来ないって、なにそれ!? そんなの、やだ!」
「えっ!?」
気づいたら潤んだ瞳で見上げられてて、
そのままギュッと首にしがみつかれる。
「告白してくれて、嬉しかったのに! なんで勝手に終わらせるの? ナオ、もう……やだっ! 僕も好きなのにぃ!!」
「えぇっ!?!?」
思わぬ告白に思考がバグる。
え? 嬉しいけど俺、どのタイミングで惚れられる要素あったか!?
勘違いで入店してから今まで、醜態しか晒してない自信があるんだが!?
「ナオくんの気持ちは嬉しいけど……でも、ほら、俺たちって客と店員だよね?好きになっちゃダメなんじゃ……」
「ダメなの?」
「えっ、だ、ダメ……だと思う……」
(え、俺、なんか間違ってる!?)
ナオくんがあまりにも純粋な顔で聞いてくるから、常識が揺らぐ。
「むぅ~~~~っ!! じゃあさ、直さんのお嫁さんになる!」
「はっ!?」
唐突に飛び出した「お嫁さん」というワードに、思わず素っ頓狂な声が出た。
戸惑う俺に、ナオくんがさらに畳み掛けてくる。
「どーなの!? 僕にお嫁さんになってほしくないの?」
「……っ! なって欲しいです!!」
「ちゃんと、声に出して♡」
「ナオくんを、俺の――お嫁さんにしたい!!」
俺の謎の大声プロポーズに、ナオくんがぱぁっと笑顔を咲かせる。
「うん、いいよぉ♡ いいですよね、 金精 さま」
「……え?」
その瞬間だった。
パァアアア……!
部屋の中が突如まばゆい光に包まれた。
「な、なにっ……!? ま、眩しい……!!」
目を細めながら光の中心を見ると、そこには――
黄金に輝く、巨大な――
「……ディルド?」
どう見ても男性器の形をしたそれが、ソファの上に神々しく鎮座していた。
まんま置き型のディルドである。
「金精さま、僕、やりました♡」
「やりましたね、ナオ」
……喋った。
ディルドが、落ち着いたテノールボイスで喋った。
「しゃ、喋った!?」
はしゃぐナオくんに、喋るディルド。もう状況がカオスすぎて、思考がまったく追いつかない。
気づけば腰が抜けるみたいに力が抜けて、俺のちんぽもつるんと抜けてしまった。
ぽかんとする俺に、ナオくんがにこっと笑って振り返る。
「直さん。こちらが……金精さまだよ♡」
「金精さま……って……?」
「直さんって、いつもお休みの日はお散歩してるでしょ? 家から神社まで行くのが定番ルートだよね?」
「えっ……なんでそれをナオくんが知ってるの?」
唐突に、週末の日課をピンポイントで当てられて動揺する。
そう、俺は運動不足解消のために、毎週土日の朝はちょっと離れた場所にある神社まで散歩するのが習慣だった。
その神社は、小さくて地域に根ざした場所。
地元の人たちが手入れして、掃除して、大切に守っているような、そんな素朴な雰囲気の神社だった。
そういえば――
後から知って驚いたけど、あの神社って“子孫繁栄”や“五穀豊穣”を願って、男性器の形をした御神体が祀られてるらしい。
たしか、「金精神社 」って呼ばれる類のものだったよな。
――って、まさか。
「金精さまって、あの神社の神様……!?」
「あたり~♡」
「如何にも」
キャッキャとはしゃぐナオくんと、心なしか誇らしげな……金精さま。
いや、顔もついてないのに、なぜかドヤってるのがわかる。不思議。
というか、これが本当に神様? どうみてもディルドだよ? 俺、なんか騙されてない? 大丈夫……?
「信じられない……え、じゃあナオくんって、人間じゃないの?」
「うん、そうなんだぁ。僕はね、神使 っていう金精さまに仕える存在のひとりなんだよ」
「ナオくんが……神の使い?」
「まだ信じられないの~? それなら――えいっ♡」
え、なにを――
ナオくんが勢いよく俺に抱きついてきた、次の瞬間。
ふわりと、身体が温かい光に包まれるような感覚がして、今まで肌に触れていたシャツの感触が、忽然と消えた。
「……は?」
ひやりと素肌に空気が触れる。見れば、いつの間にか真っ裸になっていた。
え、なんで!? ていうか、ナオくんも……!?
「ね? これで信じてくれた?」
目の前には、同じように生まれたままの姿になったナオくんが、にこにこと笑いかけてくる。
……なんてこった。証明の仕方が、いちいちスケベすぎる。
「あ、うん……信じます……」
こんな不思議な力を目の当たりにしたら、信じるしかない。
でもまあ、よく考えたら――
俺が来ることを察知していたり、男の子なのに母乳が出たり、
今までの妙な現象の数々に、ようやく説明がついた気がする。
だけど――
「ナオくんが神の使いっていうのは分かったし、もう信じるしかないとして……じゃあ、この空間って一体なんなんだ?」
根本的な疑問をぶつけると、ナオくんはにこっと笑って答えた。
「ここはね、金精さまが“善い行いをした人”を特別に招待して、癒やしと快楽でおもてなしする空間なんだよ」
聞けば「ハメダ珈琲」はずっと昔から存在していて、善行を積んだり信仰心の篤い人を金精さまが選び、ここに招いてきたらしい。
自然に入り込んで来やすいように、人間界のお店を真似して作られているんだとか。
(確かに、俺もまんまと入っちゃったしな……)
招かれた人間は、ナオくんのような神の使いから、手厚く快楽と癒しでもてなされる。
神の使いと交わることは、人間の運気を大きく高めるらしく、商売繁盛や子宝、子孫繁栄まで、絶大なご利益があるんだとか。
「おもてなしを受けた人がもっと金精さまを信仰してくれると、金精さまの力も強くなるの。人間も神様も、みんながハッピーになる素敵な仕組みなんだよ♡」
「へ、へぇ……」
もともとは金精さまの気まぐれで始まったことだったが、時代とともに人々の信仰が薄れゆく今では、力を保つための有効な方法になっているらしい。
ちなみに、定期的に掃除をしている人たちは“おもてなし”を受けた人の子孫たちだそうだ。
(神様もサービスの時代、ってことか……)
「ちなみに昔は『茶屋』だったんだけどね。金精さまがコーヒーにハマっちゃって、『これからは喫茶店だ!』って言って、自分で店名まで決めたんだよ~」
(神様、めっちゃ西洋かぶれじゃん……ていうか、ディルドみたいな形のくせに、どうやって珈琲飲むんだろう)
ハメダ珈琲の正体は分かったが、また新たな疑問が浮かぶ。
「……えっと、そのおもてなしを受けるほどの善い行いってやつを、俺がしたってこと?」
「そうだよ♡」
「え、俺、何かしたっけ……?」
心当たりがなさすぎて、思わず素で聞き返してしまった。
「……カラスにいじめられてた、ウサギ。助けてくれたよね?」
「……あっ」
その言葉で、一気に記憶がよみがえる。少し前のことだ。
神社の境内で、桜の花びらみたいな淡い桃色のウサギがカラスに囲まれていて、慌てて追い払った。
あまりに珍しい色で強く印象に残っている。
怪我をしていそうだったから病院に連れて行こうとしたのに、ほんの一瞬目を離した隙に姿を消してしまった――。
あまりにも一瞬で、夢でも見たのかと思っていた、あの子。
「あのウサギは、ナオだったんですよ」
「……えっ?」
金精さまから告げられた事実に、思考が完全に停止する。
横を見ると、ナオくんが顔を赤らめてもじもじしていた。
「神使は通常、人間界では動物の姿で現れるものなのです。ヒトの姿となれるのは、このハメダの中でだけ」
そうだったのか。俺が助けたあのうさぎが、ナオくんだったなんて。
「本当は滅多に人間界に降りるものではないのですが……このナオが、境内でウサギの姿のまま昼寝していたところをカラスに狙われたんですよ。まったく。あれほど気をつけろと言い聞かせていたのに……」
「ごめんなさい……」
金精さまの言葉に、ナオくんが「うぅ……」と恥ずかしそうに身を縮こませる。
(なんか、お父さんに怒られてる子供みたいだ……)
でも金精さまの声色から、ナオくんを本当に大切に思っていることが伝わってきた。
「ですが、あなたのおかげでナオは助かりました。私の大切な神使を救ってくれたお礼に、あなたをここへ招いたのです」
「直さん、ありがとう♡」
腕の中から聞こえるかわいすぎる感謝の声に、俺はもうただ顔を赤くすることしかできない。
いまだに信じられないけれど、ウサギの姿も今の人間の姿も、どちらもナオくんらしくてかわいいと思えてしまう。
「本来であれば、我が神使たち総出でもてなすところですが……この子があなたにすっかり惚れ込んでしまいまして。『自分だけでもてなしたい』と聞かないものですから」
「えっ……」
「だって……直さんのこと、他の子に触らせたくなかったんだもん♡」
耳元で囁かれ、首筋にふわりと唇が触れる。ぞくり、と背筋を電流が走るような感覚。
「あのとき、直さんが助けてくれた瞬間から……ずっと、お慕いしていました♡」
そう言って俺の胸にすり寄ってくるナオくん。
ずっと、客だからこそのリップサービスだと思っていた優しさが、全部本物だったなんて。
咄嗟の行動だったけど、あの時助けてよかったと心から思う。過去の俺、グッジョブ!
愛しくてたまらずにナオくんの頭を撫でると、嬉しそうに目を細めた。
俺たちの間に甘い空気が流れる。それを、穏やかな声が断ち切った。
「そういえばあなた、先ほどナオを嫁にしたいと願いましたね」
突然の金精様の言葉に、全身が強張った。
そうだ、さっきはああ言ったけど、神の使いを嫁にするって罰当たりでは?そもそも可能なのか?
「あ、あのっ……! 神様のお使いとただの人間では、釣り合わないと分かっています! ですが、ハメダの客と店員だけでなく、どうしてもナオくんと一緒になりたいんです!」
「直さん……」
俺がベッドの上から転げ落ちるほどの勢いで頭を下げると、金精さまは落ち着いた声で告げた。
「いいですよ」
「えっ……! い、いいんですか!?」
「やったね、直さん♡」
呆気に取られる俺と、喜びで抱きつくナオくん。
え、こんな簡単にいいの……?
「あ、ありがとうございます! ……でも、そんなに簡単に認めていただいて、本当に……?」
「ええ。あなたとナオが番となり交わることで、通常よりも強い信仰の力を私は得ることができます。私にとって損はありません」
「そ、そうなんですね……」
なるほど、金精さまにも利益があるということか。
ナオくんをダシに上手く利用された感じは否めないが、利害が一致しているなら文句も言えない。
何はともあれ、俺は神公認でナオくんと番になれるらしい。
とんでもない展開だけど、胸の奥は嬉しさでいっぱいだ。
「では、ふたりの契り、正式に認めましょう。手を繋いで、私に差し出しなさい」
言われるがまま、ナオくんと固く手を繋ぐ。俺たちの手を金色の光が包み込み、肌に何かが刻まれていくような、不思議な熱を感じた。
(これが、神との契約……)
光が収まった後、金精さまが厳かに告げる。
「これであなたたちは正式に番となりました。」
恐る恐る自分の手を見ても、刻まれたものは見えない。だが、金精さまの言葉は続いた。
「番の契約を結んだので、これからナオは人の姿で、人間界でもあなたの隣にいることができますよ」
「やったぁ!直さんといろんなところに行けるね♡」
「う、うん……!」
これからはナオくんと、デートしたり、笑い合ったりできるのか?
すごい。夢みたいだ……いや、夢だとしても、もう覚めたくない。
「言っておきますが、人間が使う紙一枚の婚姻届などより、ずっと強力ですよ。もしナオ以外の者に心を移せば、あなたの命はありませんので、そのように」
「ひっ……そ、そんなことしません!!」
喜びから一転、神様の静かな脅しに背筋がゾクッと凍る。
ナオくん以外に惹かれるなんてあり得ないが、その威厳ある一言に思わず声が裏返ってしまった。
「おや……そういえば、あなたたちは交わりの途中でしたね」
思い出したように、金精さまがさらりとそんなことを言う。
その言葉で、俺も思い出した。そうだ、すっかり忘れていたけど、俺たち今、セックスの真っ最中だった……!
うわぁ、恥ずかしすぎる。
「では、私は去りますので。どうぞ心ゆくまで愛し合ってください。……ナオ」
「はい」
金精さまが、慈愛に満ちた声でナオくんに語りかける。
「この人間と幸せになるのですよ」
「はいっ!」
ナオくんが、満面の笑みで力強く頷いた。その健気な姿に胸が熱くなる。
「そして……たくさん交わって、この人間を夢中にさせ、私の力をより一層高めるのですよ」
「はーい!」
「……」
(……前半は感動的な雰囲気だったのに、後半でしっかり本音をぶっ込んできたな、このディルド)
ちゃっかりしているが、それもナオくんとの未来のためだと思えば文句はない。
金精さまの身体が、再びまばゆい光を放ち始める。
「それでは。人間、ナオをよろしく頼みます」
「はい……!」
そんな最後の言葉を残して、神々しかった黄金のディルド……金精さまの姿は静かに消えていった。
部屋には、再び俺とナオくんの二人だけが残される。
静寂の中で、お互いの鼓動だけがやけに大きく聞こえた。
トン
急に俺の体が勢いよくベッドに沈む。
「えっ、ナオくん!?」
驚いて見上げると、頭上にはナオくん。俺の胸に手をつき、ベッドにいる俺の上にそっと乗りかかってきた。
熱く上気した頬、とろとろに潤んだ瞳――その顔は、もう抗えないほど艶っぽい。
「……直さん、僕たち、夫婦になったね♡」
「う、うん。いろいろちょっとびっくりだけど……」
「ふふ。ねぇ、せっかくだから――お嫁さんえっち、しよ♡」
そう言うや否や、いろいろありすぎて縮こまってしまっていた俺のちんぽに、ナオくんの手がそっと触れる。
にゅるっ♡ くちゅっ♡
柔らかな掌と先走りが混ざり合い、いやらしい水音がすぐに部屋に満ちる。
ナオくんに触れられるだけで、あっという間にギンギンに硬さを取り戻してしまう。
(さっきから俺、回復するの早くね……?)
「んふふ♡ 僕とえっちしてるんだもん。おちんちん、すぐおっきくなるよ♡」
「え、そうなの……っ!?」
衝撃的な事実に声が裏返る。さすが金精さまの使いというべきか……!
ていうか、心読まれた!?
「うふふ♡ かわいい♡」
ナオくんは俺の反応が可笑しくて仕方ないみたいに、ぷるぷるの唇が艶やかに弧を描く。
ちんぽを扱く手を止めたと思ったら、そのまま俺の腰のあたりへにじり寄ってきて――
「ねぇ直さん……♡ ずっと、ずぅっとナオとハメハメするって誓ってぇ♡」
「う、うん!もちろん……っあ!」
「うれしい……♡ じゃあ……僕のおまんこと誓いのキスして♡」
甘い囁きと同時に、ナオくんはゆっくりと腰を沈めてきた。
とろりと濡れた割れ目が、俺の勃起ちんぽにちゅぷ♡ と触れ、ぬちゅぬちゅ♡ じゅぶっ♡と淫らな水音を立てながら呑み込んでいく。
「ナオくん……っ!」
「んあ゛ああぁぁ♡♡ 立派な旦那さんちんぽ♡……ずぷずぷ入ってきてるぅ♡」
ぐぷっ♡ ずちゅぅぅ♡♡
ナオくんの甘い喘ぎと、ぐっちょぐちょに溢れる水音が重なり合い、俺の理性は完全に蕩かされていく。
たまらなくなって、ナオくんの唇を深く貪った。舌を絡めてむさぼり、下ではナオくんのおまんこをぐちゅぐちゅ♡ と抉り上げる。
誓いのキスって……日本の神の使いも知ってるんだな、なんてくだらないことを考えながら――
ハメダ珈琲の空間で、時間を忘れてふたりドロドロに愛し合った。
……まじで、有休にしておいてよかった。
*
「ん……?」
微睡みの中、意識がゆっくりと覚醒していく。 瞼越しに感じるのは、カーテンから差し込む柔らかな朝の光。鼻腔をくすぐるのは、キッチンから漂ってくる香ばしい珈琲の匂い。そして――下半身を包み込む、とろけるような気持ちよさ。
じゅるるっ♡ ちゅぷっ♡ くちゅ、ちゅぽっ♡ ぴちゃぴちゃ♡
その愛らしい水音で、俺はすべてを理解した。
(俺のかわいいお嫁さんは、本当に朝から食いしん坊だな……)
どうやら今日も、最高に幸せな1日が始まったらしい。
「ナオ……おはよう」
「ぷはぁ♡ たぁしさん♡ おはよぉ♡ ……んっ、ちゅる♡ じゅるっ♡」
布団をめくると、案の定。
俺のギンギンにそそり立ったちんぽを、頬を赤くして夢中でしゃぶっているナオの姿。
朝からめっちゃエロい。だけど……。
「ナオ~……気持ちいいけどさ。一番におはようする相手が俺のちんこって、ちょっと寂しいんだけど?」
「だってぇ……♡ おちんちんの方が早起きだったんだもん♡ 直さんが起きないのが悪いんだもん♡」
にゅぷっ♡ じゅるるっ♡ ちゅぽんっ♡
先端を吸われるたびに、腰がびくんっと勝手に跳ねる。ナオはそんな俺の反応が面白いらしく、うるうるの瞳で見上げながら、さらに深く咥え込んでくる。
「んあ……っ♡ ナオ……っ、朝からそんな激しく……っ♡」
「ふふ♡ もう、出ちゃいそうだね♡ かわいいナオの旦那さん♡」
「っ……もう、だめだ」
理性が吹き飛んだ。抱く。抱きます。
形勢逆転。勢いよく布団を捲り、ナオをそのままベッドに押し倒した。
「やんっ♡ どうしたのぉ?♡」
無邪気に首をかしげてるけど……絶対わかってて煽ってただろ、この子!
「朝から俺のこと煽って……出すなら、ナオの中に出したいに決まってるだろ」
チラリと時計を確認する。
これから仕事だけど、まだ時間はある。
一発なら、イケる!
ナオにしっかり育てられた俺の怒張を、ふわとろおまんこへとぐぐっ♡ と押し込んだ。
「んあ゛ああぁぁ♡♡ 直さんのおっきいの……朝からハメハメされたら♡♡ もう、とろけちゃうぅ♡」
ぐぷっ♡ ずちゅぅぅ♡ じゅぶじゅぶっ♡
結合部がぐちゅぐちゅに掻き混ぜられる水音と、ナオのとろけた喘ぎ声が重なって、
朝から獣のように互いに夢中で抱きしめ合い、キスを貪りながら、何度も何度も奥まで突き上げる。
「直さんっ♡ もっと♡ ナオの奥、いっぱい突いて♡♡」
「ナオ……! もう……っ!」
……それ以上は言葉にならなかった。
ただ互いに声を上げ、絡み合いながら、熱くとろけるような朝を過ごした――。
*
「いただきます」
「いただきまぁす♡」
テーブルの上に立ちのぼる湯気。
ナオが淹れてくれたコーヒーの香ばしい香りが、朝の空気にやさしく溶けていく。
朝から散々抱き合った俺たちは、ついさっきまでの濃厚な情事が嘘みたいに、今はテーブルで向かい合って朝食をとっていた。
コーヒーはナオの担当。簡単な朝食は、俺の役目だ。
あれからナオが俺の家に転がり込むようにやってきて、いまだ新婚気分が抜けないラブラブな毎日を送っている。
最初は二人で暮らすには手狭だったワンルームのアパートも、俺の昇進やら何やらが重なり、今ではそこそこ広くて綺麗なマンションに変わった。
「ナオは何もしてないよ? 全部、直さんの頑張りだよ♡」
なんて本人は言うけれど、これは絶対にハメダのご利益が働いているに違いない……!
目の前には、ぽやんと微笑むナオ。
俺のTシャツを一枚まとっただけの姿だから、肩はずり落ちて首筋に散らばるキスマークがくっきりと見えてしまう。
視線を奪われて、思わず胸が高鳴る。
邪な思いを振り払うように、慌ててコーヒーをひと口。
ほろ苦さと深いコクが口いっぱいに広がって、じんわりと幸せに包まれた。
「やっぱりさ、ナオの淹れてくれるコーヒーって美味しいよね」
「えへへ♡ 金精さまに、すっごく厳しく仕込まれたからね」
後から知ったことだけど、ハメダで出されていた飲み物は、ぜんぶナオが淹れていたらしい。
コーヒーにうるさい金精さまのために、神使たちは徹底的に練習を積んで、今ではプロ顔負けの腕前だとか。
……いや、西洋文化にかぶれすぎだろ。
でも、日本の神様って案外ゆるくて、いろんな文化を楽しんでるらしい。
まさに「この神々にしてこの国あり」ってやつか。
「ねぇ♡」
「ん?」
「今日の夜はさ……コスプレえっちしてみない?♡」
ぶっ――!
思わずコーヒーを吹き出しかけた。
「ご、ごほっ……! な、ナオ!? 朝っぱらから何言ってんだよ!」
「だって、いつもと違うことをすると“マンネリ防止”になるんだって動画で見たの♡」
にこにこと無邪気な笑顔。けど、言ってる内容はまったく無邪気じゃない。最近はテレビや動画から変な知識を仕入れてくるから、本当に心臓に悪い。
「ナオ、そういうのは鵜呑みにしなくていいから……」
「え~、でもナオやってみたい! たとえば――」
ぱちん、と指を鳴らすような仕草。
瞬間、ナオの身体がふわっと光に包まれて、真っ白な超ミニ丈ナース服に変わった。
「なっ……!?」
胸元は大きく開き、谷間が丸見え。
丈が短すぎて、しゃがんだらかたちの良いお尻が見えてしまいそうだ。
スラリと伸びた足には、セクシーなガーターベルト。
「えっちなナースで~す♡」
「なっ……!? え、ちょっ……!」
アラレもない姿に、一瞬で顔が真っ赤になる俺。
さらにナオは次々と姿を変える。
ウエイトレス、警察官、学生服……。
完全に振り回される俺と、楽しそうに変身を繰り返すナオ。
「直さんの好きな格好、ぜ~んぶできるから……♡ 考えておいてね♡」
(……ああ、今日仕事どころじゃなくなりそうだ)
*
「じゃあ、行ってくるね」
出勤時間ギリギリになって、慌ただしく身支度を整える。
大分早起きしているのに、朝からナオとラブラブするせいで、結局いつも時間ギリギリだ。
玄関先まで見送りに来たナオが、うるうるの瞳で俺を見上げる。
「直さん……いってらっしゃいの、ちゅう♡」
「……ん」
いまだに少し照れながらも、その柔らかな唇にそっと口づけた。
ナオは嬉しそうに抱きついてきて、俺の胸に小さく顔を埋める。シャツ越しに伝わるぬくもりが、愛しくてたまらない。
「いってらっしゃい♡ 夜は、ぜ~ったい楽しもうね♡」
「……うん」
あの日、偶然迷い込んだ「ハメダ珈琲」
刺激的で、少しだけ不思議なモーニングは、今ではもう俺だけのものです♡
今回でハメダ珈琲は最終回となります。
無事書き切ることができたのは皆様のおかげです。本当にありがとうございました!
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