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第1話
僕は天使なんかじゃない。
周りにいる子たちと同じ人間だ
僕は天使 熾
物心ついた頃には両親や兄弟に溺愛されてた。
生まれ持った容姿が優れていたのも溺愛された一因なんだと思う。
僕の名前も天使からあやかってつけたって聞いてた。
僕が微笑めばみんな幸せになれたしみんな僕を好きになってくれた。
僕の今通っている学校は男子校だ。
僕はみんなからチヤホヤされとてもモテた。
毎日誰かしらから告白されてた。
けど僕は意外に真面目なとこもあって取り敢えず付き合ってみるとか不誠実と言ったら言い過ぎかもしれないけれどそんなことはしたくなかった
僕は元々恋愛対象はどちらもアリの人だったけど特別に好きな人にまだ出会ったことはなかった。
彼と知り合うまでは
彼は唯一僕を天使じゃなくて一人の人として扱ってくれた。
ちゃんと名前を呼んでくれた。
特別扱いはしないで叱るときは叱ってくれた。
そんな彼のことをいつしか好きになってた。
そんなある日彼から申し訳なさそうな顔で告白された。
「周りの人間から熾を守るって思ってたのにごめん。熾のこと周りと同じ意味で好きになってしまった…」
「…」
「ごめん。でも好きなんだ…俺と付き合ってくれ」
嬉しくて嬉しくて涙が溢れて困った。
「やっぱり嫌だよな?俺のこと信じてくれてたのに」
言葉がなかなか出てこなくてブンブンと首を振った。
「僕も…君のこと好きだよ。だから…宜しくお願いします」
「ほんとに?やったー!ありがとう!絶対幸せにする!大切にするから!」
嬉しくて泣き笑いの顔で彼を見つめた
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