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第2話

今日は初めてのデートだ。 待ち合わせして街ブラして食事して… 明日はお休みだからゆっくり一緒に過ごしたいなぁ。 あわゆくば…お泊りとか…って初デートでそれはあんまりかなぁ…がっつきすぎかなぁ… だけど僕も健全な男子なので…そういう事したいかもって…色々調べてみて…色々試してみたりもして… そんなこんなでぼーっとしてたら彼がやってきた。 私服の彼は…うん…ちょっと…意外だった… 太いゴールドのチェーンのネックレスに草臥れた感じのTシャツ、そんでデニムのパンツ…足元は…あぁ…うん。サンダル。それも…うん…学校のお手洗いとかにありそうな… 髪は寝癖?それともセットしてるのかな?…うん。まぁ個性的な髪型。けど…やっぱ…素材はいいからなんとかなってるみたいな… 「ごめん!おまたせ!」 「あ。ううん。僕も今来たとこだし…よしっ!いこう!」 でもやっぱり大好きな人だから見た目なんか気にならない…よ?本当だよ? 「あ!そうだ!あのさ!」 「ん?」 くーっ…笑顔が素敵… 「えっと…あのね。僕夢があったの。小さい夢なんだけど…お付き合いする人が出来たらねお洋服を選んであげたくて…良かったら…選ばせてくれない?」 「俺の?」 「うん!君はスタイルもいいし顔もカッコいいから何着ても似合うけど僕が選びたいの!」 「いいよ。いこっか」 一応バイトなんかもしてるから今日は一式プレゼントしたい…そんなに高いお店は無理だから…この辺りだと… 「あ!あそこのお店に行きたい!」 「うん。いいよ」 彼は隣に並んで僕の歩幅に合わせてくれる。もう!大好き!すごく優しい! 「いらっしゃいま…あ…天使ちゃんじゃん!」 「げっ!!」 「へへっ!ここで会えるなんてラッキー!どしたの?」 「彼にプレゼントしたくて」 気安く声をかけてくるのは喋らなきゃ本当に喋らなきゃ王子様みたいな容姿をしたうちの学校の有名人。美作(みまさか)ラフだ。 美作はとにかくチャラい。何考えてるかわかんない。透き通った水色の瞳がみんなには見えていない部分をみているようで全て見透かしてそうでちょっと苦手だ… 「あ。美作!」 「よぉ…って…えっ?何?君たち遊んでんの?」 「デートだよ」 「ふーん…その格好で?天使ちゃん可哀想!」 「はぁ!?」 「だってこーんなデートです!って感じの可愛い可愛い天使ちゃんが相手なのになんで部屋着?Tシャツ草臥れてるし…ここ!シミ付いてるし。その格好にこのネックレスはないし足元便所スリッパとかないでしょ?だしその髪何?ボッサボサじゃん!寝起き?ちゃんと見たら目ヤニやらもついてるよ!」 「便所…」 「お!だからここにきたの?こんなダサいのと歩きたくないもんね!」 「違う!そんなんじゃない!」 「熾は付き合った相手のコーディネートがしたかったんだって…」 「えぇ!そんなんウソじゃん!」 「はぁ!?」 「まぁいいや!天使ちゃんどんな格好させたい?」 「えと…」 すごーく気不味い…ちょーっとだけ恥ずかしかったっていう本当のことを言われたし…

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